「そして、4つ目“ナノミスハイン”」
『正解するカド KADO:The Right Answer 』の9話。米光一成が全話レビューするよ。*ここまでのレビュー
■カド、ワム、サンサ、そして……
「そして、4つ目“ナノミスハイン”」
カド、ワム、サンサに続いて、また何やらぶっそうなものが登場した。
ヤハクイザシュニナが解説する。
「この現象を端的に理解しやすい表現として翻訳しよう。重力制御・慣性制御・質量制御それら一連の制御。“ナノミスハイン”は、そういった異方の操作を人類が行うための補助器具、言うなれば“異方存在の腕”だ」
さらに、ヤハクイザシュニナが語る。
異方についてだ。
「そう、異方の次元数はこの宇宙に37を加える。次元が1つ増えれば情報内包量は二乗される。この宇宙の37乗倍の処理速度と37乗倍の広がりを持つ世界……それが異方だ」
このあたりのケレン。いいねー。
野崎まどらしさが、炸裂しはじめた。
■まさに野崎まど節
脚本の野崎まどはSF小説家。
『正解するカド』を観て気になってる人には、『know』(早川書房)をオススメしよう。
人造脳葉〈電子葉〉の移植が義務化された2081年の日本が舞台。
主人公は、内閣情報庁情報官房付情報審議官。
エリートで天才で、情報階級もほぼ最高位のクラス5だ。
その主人公が出会う少女が、世界最高の情報処理能力を持った人間。
「あえて君たち政府官僚の尺度に当てはめて表現するなら、そうだな……」
と語られる階級はクラス9。
このあたりのクラス7も8もすっとばして9って言っちゃう感じが野崎まど節。
超絶情報万能少女は、全知全能の神クラスの活躍っぷり。
「気が変わった。まずこの場でストリップだ。それから電子葉薬過剰(ヤク漬け)にして狂うまで犯してやる。最後は素手で自分の頭を無理矢理外さしてやるよ」
とか言い出す裏の部署の機密情報課に所属するクラス*(アスタリスク)の男との対決。
さらには、すごい場所で、すごい格好での、重武装の警備兵たちとの大戦。
物凄さの上昇曲線がふっきれて、とんでもないシーンの連続。細かいところを気にする前に、大風呂敷が広げられていく。
『正解するカド』9話 BLか魔法少女かバトルアニメか。遂に野崎まど節超展開で賛否両論のページです。おたぽるは、アニメ、作品レビュー、東映アニメーション、正解するカド、正解するカド KADO:The Right Answer、17年4月期アニメ、米光一成、SF、地球幼年期の終わり、野崎まどの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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