──今週の内容、なんかソフトに付いてくる特典映像っぽくなかった? 5月下旬に秋の話を堂々と放送する侠気に痺れたしげるによる『フレームアームズ・ガール』(TOKYO MXほか)全話レビューです。*ここまでのレビュー
『フレームアームズ・ガール』は、原作が壽屋、デザイナー(FAガール ベースデザイン)が『ストライクウィッチーズ』シリーズや『ガールズ&パンツァー』で大人気の島田フミカネと、『交響詩篇エウレカセブン』や『機動戦士ガンダムOO』で知られる柳瀬敬之。監督はベテランの川口敬一郎と、安定感のあるスタッフによる注目作。
女子高校生、源内あお(げんない・あお/演:日笠陽子)の元に突然届けられた「フレームアームズ・ガール」(以下「FAガール」)と呼ばれる自律型の小型ロボット「轟雷」(ごうらい/演:佳穂成美)たちが、きゃっきゃうふふな日常を送ったりバトルしたりしながら成長していくというお話。今週はFAガール隠し芸大会なAパートと、これぞ日常回! という内容のBパートの2本です。
■異次元の漫才とトランペットの完璧な引き
Aパートは「決起集会」。何やら色の違う新型装備を身につけ、先週負けたフレズヴェルクと再度戦う轟雷。前回の敗北を挽回するべく、「轟雷改」へとバージョンアップしたのだ! パワー、スピードともにフレズヴェルクを圧倒する轟雷・改。攻撃によってHPがゼロになったフレズヴェルクの正体は、コピーしたアーキテクトだった。これならもう負けないでしょってことで、リターンマッチに挑む轟雷を励ますべく決起集会が開催されることに……。
冒頭の「轟雷改!」連呼からしてなんだか調子がおかしいAパート。迅雷の忍者ショーやスティ子&バーゼの手品のガバガバ具合、異様に歌が上手いアーキテクトなど、見ていてニコニコしてしまう茶番展開の連打である(オタクは茶番が大好き)。そして強烈だったのがマテリア姉妹の漫才。オチているのかどうかすらわからない、異次元の間で繰り出される宇宙的漫才に悶絶した視聴者のみなさまも多かったのでは。あと迅雷くんのガバガバ忍者ショーで手裏剣を投げるのが怖くて見ていられないスティ子が本当に可愛らしいですね(満面の笑みで)。
最後に出てきたのはあおによる轟雷への手紙の朗読。基本的に「お金大好き!」というメッセージを前面に押し出しつつ「思い出を作ろう!」というのが後半への伏線にもなっているという、非常によくできた手紙でした。そして「ヒーーー」って言ってしまったのが最後のあおによるトランペット。まあヘタクソで全員ずっこけるオチなのはなんとなくわかるんだけど、「プッ、プェ〜」みたいな音が出た瞬間にカメラが家の外に移り、そのまま空にパンして終わる……。そんな引きありかよ!
■ネタの回収が丁寧だよね、このアニメ……
Bパートは「秋に呼ばれて…」。轟雷を肩に乗せていなげや(本社が立川にあるスーパーマーケット)のタイムセールに向かうあお。しかし、秋の気配に誘われて散歩に予定変更することに。どんぐりを拾ったりままごとをしたりしてのんびり遊ぶあおと轟雷だったが、そこに「ぐりこ」と名乗る不思議な女の子が現れて……
源内家の両親が高校生の一人娘をほっといて何をやっているのか、ようやく明らかになった回。オープニングの最後の方でやたらきっちり映るどんぐりなど、今までの伏線が回収された感も。「疲れる」「ワンパターン」など轟雷のおままごとに関する感想もなんかメカっぽくて設定に忠実だなあ。
轟雷が「懐かしい」って感情を学んだことで、なんとなくいい話っぽく締めるのかな……と思いきやマテリア姉妹の漫才が延々続いていたという、前半からのネタの引っ張り方もお見事。まったりした回ながらAパートとBパートの噛み合い方、あとエンディングの最後にどんぐりとあおの人形が出てくるなど、今週は全体に丁寧な印象でありました。
(文/しげる)
『フレームアームズ・ガール』8話 可愛い茶番を上手いこと伏線として消化。世界よ、これがFAガールだのページです。おたぽるは、アニメ、作品レビューの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
人気記事ランキング
人気連載