『フレームアームズ・ガール』7話 誰がプラモデルの製造工程をやれと言った、放電加工って何だよ、最高か

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──原作が模型メーカーだからってアンタ、やりたい放題だなおい！　もはやこれが何アニメなんだかわからなくなってきたしげるによる『フレームアームズ・ガール』（TOKYO MXほか）全話レビューです。＊ここまでのレビュー

『フレームアームズ・ガール』公式サイトより

　 フレームアームズ・ガール』は、原作が壽屋、デザイナー（FAガール ベースデザイン）が『ストライクウィッチーズ』シリーズや『ガールズ＆パンツァー』で大人気の島田フミカネと、『交響詩篇エウレカセブン』や『機動戦士ガンダムOO』で知られる柳瀬敬之。監督はベテランの川口敬一郎と、安定感のあるスタッフによる注目作。

　女子高校生、源内あお（げんない・あお／演：日笠陽子）の元に突然届けられた「フレームアームズ・ガール」（以下「FAガール」）と呼ばれる自律型の小型ロボット「轟雷」（ごうらい／演：佳穂成美）たちが、きゃっきゃうふふな日常を送ったりバトルしたりしながら成長していくというお話。今週は最強の新FAガールが登場するAパートと、メイキングオブFAガールなBパートの2本です。

■新FAガールは武闘派のボクっ娘だ！

　Aパートは「VSフレズヴェルク」。あおが学校に行っている間、暇つぶしにかくれんぼをするFAガールたち。鬼がマテリア姉妹→バーゼと回ったところで、新FAガール“フレズヴェルク”があおの家のドアを切断して突っ込んでくる！　自らを最強と言い放つフレズヴェルクと轟雷のセッションが開始されるも、オールレンジでの戦いに対応できる上に飛行能力まで持つフレズヴェルクに轟雷は翻弄される！

　このアニメの面白いところが、ドラえもんやキテレツ大百科的な「居候キャラもの」っぽい作りを取り入れているところなんだけど、今回はそれを後半の戦闘シーンとの落差を演出するのにうまく活用した形。前半戦のかくれんぼは全くいつものFAガールたちと変わらない、呑気かつハチャメチャな雰囲気で展開する。いつのまにかバーゼ専用機になっているスレイプニー太郎（掃除機）の活用されっぷりなど、細かいネタのちりばめ方も安定の域だ。

　しかし轟雷対フレズヴェルク戦では雰囲気はなんだか一変。銃だと思っていた武器が剣としても使えたりと自在に戦うフレズヴェルクに、今まで無敗だった轟雷は敗北してしまう！　そして敗北後の雰囲気が重い！　そうか～フレズヴェルクはこういうキャラだから今までオープニングでやたら悪役っぽかったのか～と思いつつ、これを引きずってBパート行くのやだよ～～という空気に。

■プラモのメイキングじゃねえか！

　Bパートは「FAガールはじめて物語」。フレズヴェルクに負けて以降、なんだか調子がおかしい轟雷。「それは恋だ！」とか適当なことをいうFAガールたちだったが、あおは「それは”悔しい”っていうんだよ」と教える（あおお母さん……）。そして「強い武器がほしい！」と直訴する轟雷の願いを叶えるべく、急遽武希子が召喚されることに。「FAガールを強化したくても、そもそも何もわからない」というあお達の疑問に答えるべく、武希子の不思議な力でいきなり流れが教育番組風になっちゃうのだが……

「卵なら産めます！」という轟雷の衝撃的なセリフで始まったBパート。巻き添えを食らって殴られまくるスティ子のかわいそうさ加減やあおの滲み出る母性、「プラ板積層でいけるか、いや真空整形……」っていう武希子のこれ見よがしな独り言（他に人間がいる場でのモデラーの独り言はわざと他人に聞こえるように発声されることが多い）など、前半も要素多めだけど、真に異常なのは後半の教育パート。

「アクリルエナメル薄めラッカー、トップトップコ〜ト」という、塗料の種類を連呼した呪文を武希子が唱えると、なんと場所はファクトリーアドバンス社へ。
　なるほどデザインルームで見た目を決めてCADでデータにして試作品出力して金型作って……って、アンタこれ完全にプラモデルの製造工程じゃないの！　特に「金型の仕上げ」について細かめに言及されているのがガチ度高め。金型に対する加工って最終的なプラモの出来に関わってくる部分なんだけど、モデラーってモチーフや原型のことばっか気にするし、金型部分での足し引きってそれこそ工業的な話なんで素人にはよくわかんないことが多いのよね……。あと放電加工って確かに説明するのめんどくさいよね……。

　しかし、模型メーカー原作&出資でがっちりやると、こういう感じでプラモデルをアニメにできるのか……と毎週感心することしきり。とりあえず折り返し地点だけど、後半はどうするのかマジで楽しみです。
（文／しげる）