『笑ゥせぇるすまんNEW』第3夜 息子を甘やかすママにしては、弁当のおかずが茶色すぎないか

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■「弁当戦争」漫画版とお弁当を比較

　　旧→主食はご飯に梅干し。オカズはぜんまい、油揚げ、お豆腐の煮物。
　　New→ママの普通の弁当は2回出てくる。煮豆、卵焼き、梅干し入りご飯にのりたまふりかけをレギュラーメンバーとした組立て。若者の食べる弁当にしては渋い。

　彼女の作るお弁当も違いがある。旧作は、ホタテっぽいものが入っている高級感のある弁当。『New』の方ではサンドイッチがメインでコーンスープも用意されていた。

「おかあさんはあなたのことをまだ子ども扱いしてるのよ」と彼女は言う。でも、甘江の弁当にお子様ランチ的要素はほとんどない。
　俺は甘江と同い年で母親から甘やかされ、好き嫌いもめちゃくちゃ多い。だから、甘江ママのお弁当に魅力を感じることはできない。のりたまご飯を食べるので精いっぱいだ。
　でも彼女の作るお弁当は全部食べたい。コーンスープ飲みたい。手づかみで食えるサンドイッチも良い。

■ママが彼女に作った弁当は

　終盤、弁当を全交換しているのを知ったママは、彼女に向けた弁当を作る。これもまた、新旧で比較する。

　　旧→約130粒のグリンピースを文字状にご飯に埋め込んでメッセージ。
　　New→ご飯の上に海苔を敷き詰め、コミックホラー調のフォントでメッセージを切り抜く。

　共通しているのはおかずがないこと、「マサオ　ヲ　トルナ」という意思表示、「あんたなんかお弁当ごとつっかえすわ」って彼女が甘江に弁当を投げつけて終了する点。

　甘江は、胃袋的には彼女の方に気持ちが傾いていた。しかし、ママからの怒りや悲しみがこちらに向けられるのを恐れてしまったため、破局。

　こういう情けない男がいるから、お母さん好きな男は女性側から警戒される。いざというとき、お母さん側に味方をするんじゃないかと危険視される。小さいころから母親をママと呼んで育ってきた男は、公の場で違う呼び方をすることを強いられるのだ。

　もしも女性に生まれたら、俺もSNSで「今日はママンとデート」みたいなことほざいてみたかったぜ！
（文／山川悠）

 
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