『銀魂』特集で杉田智和＆石田彰のうれしい対談！“バレンタインデー”の概念が崩壊しそうなピンナップにも注目の「アニメージュ」17年3月号

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――アニメ専門のニュースサイトも増え、SNSの充実によって製作委員会から直で情報が発信されることも多い今、各アニメ専門誌はどのように記事や作品を取り上げ、作り上げ、それぞれの特色を出しているのか？　いわゆるアニメ誌御三家の目玉企画や気になる記事を取り上げ、アニメ業界の波を分析していく――

「アニメージュ」2017年3月号（徳間書店）

■「アニメージュ」2017年3月号
出版社：徳間書店
発売日：1月10日（毎月10日発売）
価格：980円（907円＋税）
創刊：1978年

　今月の表紙は、深夜枠に移動しても相変わらず快調にTVアニメが放送中の『銀魂』（テレビ東京）。巻頭のピンナップを挟んで、怒涛の16Pの大特集を組んでいます。

　まず特集前半ではシリアスなお話が続いているだけに、各勢力、主要キャラクターたちを若干ポエミーに、丁寧に紹介。そして銀時役の杉田智和さん、桂小太郎役の石田彰さんの対談ページ……あれ、表紙に描かれていたのは銀さんと高杉晋助でした。てことは、本来ここにくるべきは高杉役の子安武人さんなのでは？

　若干の違和感を覚えつつも、石田さんがこうやってロングインタビューに出てくるのは比較的珍しいし、やはり約10年も共演している杉田さんとの対談とあってか、楽しくお話しされたんだろうなと伝わるページになってます。石田さんが世代間論を語ったり、『銀魂』とは関係のない声優・武内駿輔さんのお話を杉田さんが始めたり。って、杉田さんは武内くんのこと本当に好きですよね！　腐女子がまた喜んじゃいますよ！

　続いて宮脇千鶴監督の4Pにも渡るロングインタビューが掲載。相変わらず小さい文字がぎっしりと詰まってます。監督は2カ月連続のインタビューですが、各キャラ各エピソードについての解説を、丁寧にお話されています。きっといい人なんだろうなぁ、冒頭では「次回は呑みながら」的なことも語られていたので、今後も登場を楽しみにしてます。

『銀魂』の次に大きくページを割いているのは、先月号は表紙だった『ユーリ!!! on ICE』。キャラクターデザイン・総作画監督を務めた平松禎史氏へのインタビュー、コラボカフェ体験ルポも含めて合計8P、さらに付録も『ユーリ!!! on ICE』（ミニクリアファイル3枚セット）。次号予告にも名前がありましたし、もうしばらくは『ユーリ!!! on ICE』関連ページを拝めそうですね。

　さて、その他ページを割いているアニメ作品としては『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』（MBS、TBS系／6P）、『弱虫ペダル NEW GENERATION』（テレビ東京ほか／4P）、『劇場版 黒執事 Book of the Atalantic』（4P）などがありますが、これら作品は他アニメ誌さんがもっとページを割いて紹介していたので、この記事では割愛します。

　読み応えがあったのは、本の真ん中・やや後ろ寄りから始まる2色ページ。
　まず、先月には一部アニメファン、『ガンダム』シリーズファンをビビらせた、富野由悠季監督の“人生相談”連載「富野に訊け!!」が、連載15周年を記念してなんと単行本化決定！　しかも2月＜怒りの赤＞篇、3月には＜悟りの青＞篇と2カ月連続刊行!!　というニュースがありましたが、今月は＜怒りの赤＞篇の表紙が登場してますよ。

　また118Pからは、インタビュアー：小黒祐一郎さんの不定期・ロングインタビュー連載「この人に話を聞きたい」が数カ月ぶりに掲載、『舟を編む』で初のTVアニメシリーズのキャラクターデザイン・総作画監督を務めた青山浩行さんが登場されています。

　インタビューは各誌でたくさん掲載されていますが、基本は制作・製作・出演したアニメ作品に関するインタビューです。「この人に話を聞きたい」は珍しいクリエーター個人のお話、パーソナルな部分についてのインタビュー企画なので、掲載されているとやっぱり楽しいし、読み応えがあります――『舟を編む』放送中か直後に掲載されれば、もっと良かったと思いますけど。

　ちなみに『銀魂』以外の巻頭ピンナップは『イナズマイレブン アウターコード』（17年夏よりTVアニメ放送予定）、『MARGINAL #4 KISSから創造るBig Bang』（TOKYO MXほか）、『昭和元禄落語心中 ―助六再び篇―』（MBSほか）というラインナップ。

　時期柄、バレンタインデーを意識しているっぽい絵柄なのですが、全員男性キャラクターなんですよね。バレンタインデーを意識する必要はあったんでしょうかね？
（文・サトウスズキタカハシ）