随所に散りばめられた丁寧な工夫がうれしい!『亜人ちゃんは語りたい』第1話「高橋鉄男は語りたい」レビュー

 その側を担架が走り抜ける。担架にはブルマ姿の女子が乗っており、「冷やせば大丈夫、雪女だから…」とうわごとのように繰り返していた。またしても亜人である。「3人目、こんな簡単に…」と、あまりの偶然に呆れつつも、鉄男は京子(胴体のみ)を背負って保健室に向かう。途中でふと気付いて前を歩くひかりに声をかける。
「お前、ずいぶん落ち着いてるな、珍しくないのか? 亜人」
「驚きはしないかな、だって私も亜人だし。ヴァンパイアだし」
 もはやうれしさよりも、簡単に会えたことへの戸惑いに襲われる鉄男。そんな彼にひかりはこう言う。

「『あじん』って響きは可愛くないでしょ、教科書っぽい響きだし。だから若いコの間では『デミ』って言うの!」

 昼休み。ひかりがひかりとよく似た少女と言い合いをしている。見かけた鉄男が声をかける。少女はひかりの双子の妹:ひまりだった。鉄男はひかりに「ヴァンパイアについて教えて欲しい」と頼む。あっさり快諾するひかり。都合の良すぎる展開に、頼んでおいて「いいの?」と驚く鉄男。交換条件とばかりにひかりは「理科準備室に遊びに行ってもいいか」とおねだりする。

 一方、倒れて鉄男に助けられたデュラハン:町京子はすっかり回復。教室でクラスメイトと雑談していた。頭部は机に敷いた専用の座布団に置き、両手を添えて支えている。このシーン、当たり障りのない会話がいかにも新入生らしい距離感でほっこりする……と思いきや、京子が「バスだと顔を持つのが大変だから徒歩通学している」と明かした途端、クラスメイトに露骨に話題を変えられる。デュラハンの性質について「気を遣われている」「腫れ物に触るような扱いを受けている」と分かり、内心ショックを受ける京子。このくだり、BGMもなく淡々と進むのが逆にすさまじく辛い。

 理科準備室でひかりを質問ぜめにする鉄男。そもそも彼女がここへ来たがったのは、「直射日光が苦手」という、いかにもヴァンパイアらしい性質のせいだった。準備室は薬品の保管の兼ね合いもあり薄暗くしているので、教室より居心地がいいらしい。ヴァンパイアは伝承どおりの性質を全て有しているのか? 書物を見せながら尋ねる鉄男。
 ニンニクは苦手なのか? 「好きだしなあ。レバニラとか大好き。あとトマトジュース」
 十字架は苦手なのか? 「十字架ファッションは10代までだよね(笑)」
「あ、これ!」ひかりは書物を指差すと「心臓に杭を打たれると死ぬよ!」と言い放つ。鉄男は内心「俺も死ぬ」と突っ込む。つまり伝承はほぼデタラメらしい。ただし血は飲むという。ヴァンパイアは国から月1回、1パックの血液を支給されているのだ。

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