随所に散りばめられた丁寧な工夫がうれしい！『亜人ちゃんは語りたい』第1話「高橋鉄男は語りたい」レビュー

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「人から血を吸いたくないのか？」
　鉄男の問いに、ひかりは「雪女の子の首筋を見ると吸いたくなる」と答える。担架で運ばれていたあの子だ。彼女から血を吸うシチュエーションを熱く語るひかり。鉄男に「なんだかHっぽいな」と突っ込まれ、思い出したように恥じらう。自覚がなかったらしい。鉄男は更に質問を重ねる。
「異性からも吸いたいと思ったりするのか？」
「思わない」
「女の子の方がいい？」
「そうじゃなくて……（赤面）それはきっと、私が恋をしたことがないからかな～って」
　戸惑いながら打ち明けるひかり。一連の会話において、彼女は表情も身体もクルクルと実によく動き、とにかく可愛い。鉄男が「ヴァンパイアちゃんはお年頃のようだ」と感慨にふけってしまうのも納得である。またオンエア時も、この躍動感あふれるシーンに心惹かれたユーザーは多かったようだ。
　
　放課後。ひかりは京子に話しかける。話題は全て「いつも顔を手に持ってないといけなくて大変そう」などなど、京子がデュラハンであることに直接触れたものばかり。ギョッとする周囲の生徒たち。しかし京子は嬉しい。自分のことを正面から見てくれる同級生が現れたからだ。原作にはないこのエピソード、さりげないながらもしみじみ感動的で、グッと来ること請け合いだ。
　ひかりに誘われ、京子は鉄男に、倒れた際に介抱してもらったお礼の手紙を送ることに。恥ずかしさゆえ、胴体のみで鉄男に会いに行く京子。驚きつつも状況を察し、手紙を受け取る鉄男。便箋にはお礼だけでなく「今度お話をしに行っていいですか」と要望が書かれていた。鉄男は「いいとも！」と返事を書く。
　夕方、屋上で並んで座るひかりと京子。話し相手ができたこと、友達ができたことを喜びつつ、2人は始まったばかりの高校生活に、期待と不安を抱くのだった。

　原作の最初の2話をベースにしつつ、以降への伏線を増やしたり、高校に入学したばかりの生徒たちの日常を丁寧に描写したりと、随所に工夫が見られる第1話。アニメの躍動感もバッチリで、次回が非常に楽しみな作りになっている。
（文／JUP-ON STUDIO）

 
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