国立新美術館にて9月22日より開催されたICAF(インター・カレッジ・アニメーション・フェスティバル)2016。その最終日25日に観客賞が発表された。
ICAFは専門学校・大学などで学生たちに制作され、その中から推薦を受けたアニメが一挙に集う場として2002年から実施。今回は北海道から広島までの28校が参加した。
その中で各校選抜作品プログラムは、観客の投票による観客賞対象プログラムとされている。観客賞は上映された作品の中から、来場者が投じた票数によって決められていくというもの。
観客賞1位を獲得したのは『I CAN SEE YOU』(顧傑:東京造形大学)。作品は大学院の修了制作で、顧は今後「自分のスタジオを作りたい」とのこと。予告編でも、矢を放ち合う息の詰まる攻防が描かれ、緊迫感が伝わってくる作品となっている。
『I CAN SEE YOU预告片』
2位は『あたしだけをみて』(見里朝希:武蔵野美術大学)。この作品は大学の卒業制作で、見里は「ここにこうして立つことは、ICAFの2013年にスタッフとして活動していた時からの憧れだったので、大変うれしく思う」と喜んだ。本作はフェルトを用いた非常に精度の高いコマ撮りで、女の子の嫉妬心が鬼気迫らんばかりに見る者へと訴えかけてくる作品。彼女は第10回TOHOシネマズ学生映画祭でもグランプリを受賞するなど、各映画祭やコンテストにて評価を得てきただけに今後も注目されている。
3位は『ノアの□庭』(狩野洋典:東京工芸大学)。この作品も大学の卒業制作で、狩野は「ここに立てたのは、色んな人たちや先生がたの教えだと思うので、ありがたく思う」と感謝した。本作では崩れゆく□(ハコ)の上に暮らす少女と、空から降ってきたロボットとの切ない交流が描かれている。
以下、4位には『papa』(gammy:金沢美術工芸大学)、5位は『ミチズ』(坂本拓海:広島市立大学)となった(共に欠席)。なお1位から3位は、いずれも3月に開催された東京アニメアワードフェスティバル(TAAF)2016の「YOUNG POWER~卒業制作TOPセレクション~」にも選ばれていた作品で、改めてその魅力が反映される結果になった。
『ノアの□庭』
以降、ICAF2016は北海道、金沢、京都、広島、名古屋で順次開催となる。さらに九州では初めてとなる、佐賀での開催も発表されたので、追って発表される情報をチェックしておきたい。
(取材・文/真狩祐志)
■ICAF
http://www.icaf.info/
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