伊藤有壱と眞賀里文子のコマ撮り対談、『魔人ハンターミツルギ』の秘話や進行中の『二つの太陽』まで 「キャラクターと対話しないとアニメーションは楽しくない」

 8月21日、広島市のJMSアステールプラザにて「伊藤有壱vs眞賀里文子コマ撮りトーク」が実施された。

hiro16koma1.jpg写真:JMSアステールプラザ正面

 
 このトークは8月18日から22日まで開催された、第16回広島国際アニメーションフェスティバルの一環として行われたもの。公式プログラムに掲載されているのは、大・中・小の3ホールで行われるもののみで、会期中は突発的に各種イベントが発生するのが恒例になっている。

 この「コマ撮り」トークがセッティングされたのは、主に全国から集う学校がブースを連ねるエデュケーショナルマーケット。伊藤と眞賀里は共に教鞭を振るう立場にもあり、イベントはそこにちなんだ話題からスタート。

hiro16koma2.jpg写真:伊藤有壱と眞賀里文子

 伊藤からの「眞賀里さんも僕も、10年前には先生をやるなんて思ってもいなかった」との振りに、眞賀里は「ちょうど10年目なんです“アート・アニメーションのちいさな学校”。10年持ちました(笑)」と答えた。

伊藤「その中で立体(人形や粘土などのコマ撮り)を極めた人が(東京)藝大の大学院(映像研究科アニメーション専攻)に入ってくれたりとか。ありがたいことです。ただ入ってきた生徒が全然言うことを聞かなくって、さすが眞賀里さんの弟子だなと(笑)」

眞賀里「やっぱりそうでしたか(笑)。ちゃんと『言うことは言うように』って言ったもんですからね」

伊藤「ちいさな学校で学生たちが基礎的なこととか、動かすことを感覚的に分かった人が来てくれるので、話が次に進みやすいんです」とフォローしつつ、話題は眞賀里がスタッフとして制作に加わった特撮テレビ番組『魔人ハンターミツルギ』(1973年/フジテレビ系)へと移行。

hiro16koma3.jpg写真:伊藤有壱

伊藤「もう魔法を見ているようで怖くて、でも見てる。そんな感じだったんです」

眞賀里「いやいや~~もうあれは1週間で1本撮るんですよ。ものすっごい……何でしょうね私、後半はちょっと鬱になりかけるくらい辛かったです」

眞賀里「お話が来て、その日のうちにデザイン描いて、デザイン持って人形を作る人のとこに行って、『そんな汚い人形を作るの?』と。『それでもお願いします』って言って戻ってきて、今度は火薬がいるから大平火薬(大平特殊効果)まで行って、『黒い煙が出るのと白い煙が出るのをください』って言って、それを調合して……」

伊藤「とてもアニメーターの話じゃないですよね。今、若い人全然ついてきてないんですけど(笑)。もう時代を2つぐらい先取りしているようなね、ワクワクする力があったんですよ。そういうのを毎週コマ撮りしてるっていう。今では信じられない」

眞賀里「時代の先取りはいいんですけど、メンバー少ないし、スケジュールと金銭的なとこの先取りが全然なかったもんですからね、かなりキツかったですね」

 続けて伊藤は眞賀里のテレビCMでの活躍や、『摩訶不思議世界』などのCMディレクター・李泰栄についてのトークを展開。眞賀里は「李さんに会ったことで、やはり大友克洋さんとかの色んな方の面白いデザインも見て、あれはなかなかいい経験でしたね」と、出会いに感謝していた。

【 コマ撮り アニメ 】 旅立ち

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コマ撮りアニメ、最近TVでは減りましたが、動画配信サイトとかで個人の人が頑張ってたりしますよね

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