続く閉会式では木下が「本当にお陰様で第16回大会、無事に終了できました。私はいつも人に訊ねられると、広島のオーディエンスの皆さまが自慢だと言ってます。作家の皆さんが一生懸命制作してきた作品を、本当に真剣に大事に観ていただくくこと、その拍手で作家の皆さんが『また作って広島に来たい』と思わせてくださっています」と、来場者に深謝した。
あわせて「スポンサーなど協賛してくださる方々には、深く深くお礼申し上げます。引き続きよろしくお願い致します。それから私たちのスタッフ、ボランティアのチームの方々ありがとうございます。いつも私はみんなを信じてやっていけることがとても幸せです」と補足した。
今回はフェスティバルにおける短編作品の歴史だけでなく、日本における短編作品の歴史を総覧できる「日本特集」が組まれたのも特色。閉会式後の記者会見では、山村監督が自身の作品と絡め、「今年はサティ生誕150周年、そして『パラード』の作曲が始まってから100周年、その初演が始まってから来年が100周年といったアニバーサリーであるのと、来年が日本の漫画映画が始まってから100年目に当たる年だというのもあります。サティのCDを聴いて、そして孤独なアーティストとしての人生、その2つから何か表現できないかなと昔からプランを練っていたんですけども、カートゥーン的な表現でサティの世界を表せるんじゃないかなと閃いたところから作品がスタートしました」とコメント。
続けて「今回は初日、日本の『なまくら刀』から始まった歴史のプログラムから4つほど続いた後にコンペティションでの上映となったんですが、論理的ではないクレイジーで不思議な魅力のある日本の漫画映画の系列の中で、理解してもらえたらうれしいなと密かに思っていました。作っていた時には久里洋二さんや古川タクさんのことを考えたりしていたので、制作のモチベーションとなったキッカケと受賞とがつながってうれしく思います」と、振り返った。
このほかの各賞はヒロシマ賞に『Among the black waves』(Anna Budanova:ロシア)、デビュー賞に『Yul and the Snake』(Gabriel Harel:フランス)、木下蓮三賞に『Peripheria』(David Coquard Dassault:フランス)、観客賞に『The Gossamer』(Natalia Chernysheva:ロシア)などの結果になった。
(取材・文/真狩祐志)
■広島国際アニメーションフェスティバル
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