時代を席巻する人気ジャンルの存在には欠けた感もあるコミックマーケット90。そうした中で、根強い人気を見せたのは2日目の『艦隊これくしょん-艦これ-』(以下、『艦これ』)と『東方Project』であろう。
とりわけ前者は、秋には劇場版アニメも予定されているコンテンツ。すでにサービス開始から3周年を迎えているが、いまだにユーザーの増加は続いている。そろそろ、古参と新参の間に追いつくことのできないレベル差がついてしまっているような気もするのだが、ほかのユーザーと競い合うのではなく、あくまで個人のペースで艦娘を育成することに重点が置かれているのが、いまだにユーザーを掴んで離さないポイントだろうか。
分析はともかくとして、やはり艦娘と共に戦うのはいい! 艦娘を次々と死地=海域へと送り出すのはいい!
実は、筆者もこの間は時流に乗って『ポケモンGO』を必死にプレイしてみた。あちこちをウロウロとしながらポケモンを次々と捕獲。努力の結果、随分と図鑑も埋まった。
しかし、筆者はふと感じてしまった。
「いや、ポケモンを捕まえて何が楽しいんだ……」
だって、ポケモンを捕まえてもツンツンしたりデレたり、エッチに誘惑してきたりしねーじゃねえか! そりゃ、ケモナーはポケモンで興奮するだろうけど、筆者にはそのような属性はないのだ。
というわけで、改めて艦娘の素晴らしさを認識したところで迎えたコミケ90。
今回、サークルが頒布する同人誌の中で、変わらず目立っていたのは鹿島本であった。
昨年の秋イベントでの実装以来、急速に人気を獲得した鹿島。その人気はいまだに衰えを知らぬ様子である。その後、冬、春とイベントは続いているわけだが、鹿島人気を凌駕するだけの存在感のある艦娘はいまだに登場していないのである。
とりわけ、キャラの濃さによる認知度の割に同人誌では数が少なかったのが、今年の春のイベントで実装されたPolaである。史実を反映してアル中寸前かのような飲んだくれ艦娘として一躍注目を浴びたわけだが、あくまでギャグ要員。鹿島のようにエロ要員としての地位を獲得できなかったのか?
いやいや、Polaの飲んだくれ設定には、コルセットで締め付けているお腹の肉が見事なまでにだらしがない……という妄想を喚起されて止まないのだが、それはいまだに広まってはいないらしい。先日から始まった夏のイベントを見ていても、しばらくは鹿島人気が続きそうだ。
そんな『艦これ』ジャンルの中で、これはと思った同人誌を1冊。『不憫な青葉が可愛くて仕方ないっ!!』(適齢期に食中毒/シカのひづめ文庫)。これ、同人誌においては脇役として登場しまくるくせに、主人公になる機会の少ない青葉への愛を描きまくる2サークルの合同本。どういった内容かといえば「焼き鳥屋でねぎまの葱だけを食べさせられる青葉」を皮切りに、鬼畜な彼氏に不憫な目に遭わせられる青葉の姿をイラストと文章で綴るのである。これでもかという不憫さに、悶絶することウケアイの1冊。
青葉には不幸が似合うと思っている筆者も当然、悶絶したのであった。
やっぱり、人気の艦娘よりもオンリーワンな愛を注ぐ同人誌を見つけることにこそ、コミケの醍醐味はあると思った。
(文=ルポライター/昼間たかし http://t-hiruma.jp/)
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