【C90】やっぱりコミケは地獄だ! 企業ブースの移動・コスプレエリアの変更に心も身体も混乱!

1608_S0304144.jpg今年もまた歴戦の勇士が行列。言葉を発することもなくただ獲物だけを求めて……

 やっぱり夏コミは地獄だぜ!

 幾たび試練を乗り越えたとしても、やっぱり夏コミという地獄に身体が慣れるなんてありえないと、改めて実感した。

 今回、コミックマーケット90来場者数は、公式発表によれば3日間でのべ53万人。前回のコミックマーケット89に比べて、約1万人増。前々回のコミックマーケット88に比べて約2万人減の結果となった。

 この増減については、いずれ識者による分析も行われていくだろう。今、取材をした限りにおいて明らかなのは、例え2万人程度減ろうとも、まったく人が減った気がしないという事実である。

1608_IMGP8157.jpgあまりの湿度の高さに汗が出ない。確実に自律神経がヤラれて身体がおかしくなるのを実感

 今回の夏コミの環境は、いつもよりも恵まれていたかも知れない。開催時の3日間を通じて気温は幾分か低かった。8月に入り東京の最高気温は8月6日に34.2℃を記録しているが、コミケ開催中の11~13日にかけては31~32℃台で推移した。この数度の差ゆえに、家やホテルを出るときに「あ、今日は涼しい……」と感じた人は多かったのではなかろうか。

 とはいえ、それも単なる希望的観測に過ぎないことは、すぐに理解できたはず。筆者ら取材陣は開場前には東ホールにある取材受付に待機列をつくっていたのだが、連日とも担当スタッフが「通路の中央を空けて置いてくれ」と指示するのである。何かといえば、要救護者を運ぶ車椅子の導線である。

 顔見知りのスタッフは「今年は過ごしやすいですねえ~」と言うのだが、それでも開場前だというのに次々と車椅子でホール内の救護室へと運ばれていく人々が。コミックマーケットにおける「過ごしやすい」とは、倒れるまでの猶予の時間が少しだけ延びたということに過ぎないのか……。

1608_IMGP8118.jpg担架から車椅子に変わって以来、急病人の搬送は便利に。とはいえ倒れる前の準備が一番

 さて、そんなコミックマーケットであるが、今回はさまざまな変更点により、混乱した人も多かったのではなかろうか。最大の混乱のポイントは、西館の同人と企業のブースの配置変更であろう。

 そもそも、コミケが有明にやってきて以来、企業ブースは西館の上のほうにあるものという「常識」が身体の中に染みこんでいる。ゆえに、幾度も準備会のアナウンスを聞いているはずなのに「あれ、企業ブースってどこにいったんだっけ……?」と、一瞬戸惑ってしまった。さらに、今回から防災公園で開催されている「第3回有明防災フェア」との移動も可能になったコスプレエリアには、さらに戸惑いも。どっから、どういけばよいのかまったく思考が停止していくのである……。

 そう、今回のコミケでは多くの参加者が思い知らされたハズだ。これまで身体に染みこんだ「常識」はまったく通用しないということを!

 次回のコミックマーケット91からは、いよいよ東7・8ホールの供用も開始されるという。さらに、オリンピックに向けた準備も伴って、会場内の導線も変更されるだろう。これまで、ジャンルの日程や場所の変更はあっても、ここまで大幅な変更はなかった。ゆえに、いかに効率よく会場内を移動するかを各々の参加者は身体に染みこませてきたハズ。しかし、それももう通用しなくなるのか……。

 4年後に迫った東京オリンピックを前に、コミックマーケットはどんな変容を見せるのか? ただ、筆者は、それ以前に、いよいよ3日間を耐え抜く体力が持たなくなってきたことを恐れている。今回、会場では倒れなかったけど、3日目をどうやって家まで帰ったのか記憶がない……。
(文=ルポライター/昼間たかし http://t-hiruma.jp/

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