賛否両論のアニメ新キャストに星野桂は…!? 座談会で明かされた『D.Gray-man』の裏話

 次の話題はアレン役の新キャスト、村瀬歩さんについて。実はこのキャスト交代はファンの間でも賛否両論で、どちらかといえば反対派が多い話題だった。先生も当初「正直、アレンの声優さんがガッチリ決まらなければアニメのお話もどうするか悩んでいました……」という胸中だったという……。そんな先生の考えを変えたのが村瀬さんの声だった。「オーディションで村瀬さんの演じるアレンの声を聞いてみたら、闇を抱えているんだけど天使のように聞こえる、すごく不思議なお声をされていて……。今私が原作で描いている、ネアが取り付いて悪魔っぽいアレンと、エクソシストで正義感がある天使っぽいアレンにすごくハマっていて。『村瀬さんなら大丈夫』って思ったんです!」と、村瀬さんをアレン役に起用した理由を話してくれた。すると、批判的だった視聴者の反応が「先生が納得されたキャストなら楽しみです」と、新キャストを歓迎する動きに変わったのだ。改めて先生の影響力の大きさを目の当たりにした瞬間だった。

 そんな星野先生のDグレへの情熱を、途中同席したアニメプロデューサーのK氏も身近で感じると話す。「客キャラごとの団服の飾りや、ブーツの形状など細部までこだわりが本当に強いので、自分たちも今の先生のカラーリングや絵にどう近づけるか、それをどうアニメーションするかを考えています」。団服の話を受けてY氏が「新しい団服はなんで赤にしたの?」と先生に尋ねると、「赤を入れた理由は、ノアの衣装を統一しようと思っているからで……。ノアの色がどうしてもモノクロ調になるので、対するアレンたちには赤を入れようと。リナリーをはじめ結晶型になるエクソシトが登場し、だんだんと“血のイメージ”が出てきたので、赤を入れようかなと思いました」と説明。ファンの間でも人気の高い団服に隠された秘密が明らかになり、団服好きな思わず私も「厨二設定大好きです!」と叫んでしまった(笑)。

 被ったダンボールの中の暑さが“臨界点”を突破し、休憩のため先生が画面から消えるということもあったが、終始和やかムードで放送は終盤に。ここで現担当編集のK氏が「前担当編集Y氏との思い出は?」と質問が上がった。実はDグレの番外編漫画にも登場するY氏は、ファンからも写真を頼まれるほど大人気なのだ。世にDグレを送り出した担当と過ごした時間はさぞ素晴らしいと思いきや……。

「毎週打ち合わせで何か言われるたびに『チクショー!』って思ってました。Y氏に見立てた布団を一本背負とかして……。だから担当が替わるって聞いたときは『やったぁー!』(先生ガッツポーズ)って思ったんですけど…」と、先生からまさかの発言が飛び出した! 「最初はDグレじゃないものを連載したかったんです。でもY氏に『ダメだ! 今はエクソシストのほうがくる!』って言われて。連載会議で仕方なくDグレのネームを出して……。連載が決まったときは正直『マジかぁ~!』って(笑)」そう話す先生の表情は言葉と裏腹にどこか楽しそう。

 Y氏が「これ星野先生が盛って話してると思うでしょ? でも実話なんです(笑)」と苦笑い。しかし、最後はそんな先生が「でも、いざ担当が替わったら吉田さんがいかにすごい人だったかということがわかって……」と、ちゃっかりいい話にして締めくくったのだった。
(文/あんみつ)
※雑誌やマンガ作品に関して、言及のない限り、版元は集英社

賛否両論のアニメ新キャストに星野桂は…!? 座談会で明かされた『D.Gray-man』の裏話のページです。おたぽるは、マンガ&ラノベ出版業界事情の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

PICK UP ギャラリー
写真new
写真
写真
写真
写真
写真

ギャラリー一覧

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!