【今月の不健全図書レビュー】書店に迷惑? いきなり最終巻だけ指定 艶々『ひるがお』第5巻

――東京都をはじめ、地方自治体の「青少年・治安対策本部」では、毎月“不健全図書”を挙げ、自主規制団体らと共に審議を行っている。この審議結果は毎回公表されるものの、審査過程での自主規制団体の声が顧みられることはほぼない。エロにせよ何にせよ、どこか尖った作品を大の大人が色々な立場から評価するという、そんな貴重な意見が無視されるなんてもったいない! このコーナーでは、“不健全図書”に指定されたマンガなどを自主規制団体の声と共に紹介していきたい。つまり、クラウド・ファンディング(群衆による資金調達)ならぬ“不健全図書”クラウド・レビュー(群衆による批評)、はじまり、はじまり~!

【今月の指定図書】

 艶々『ひるがお』第5巻(エンジェル出版)。

 一読してまず筆者が抱いた感想。いきなり最終巻なので、これまでどんな物語が展開されてきたのか、まったく理解できません。通常のレビューならば第1巻から購入して物語を理解しようとするのですが、先入観を持ちそうなので止めました。出版元のエンジェル出版は、双葉社の子会社です。しばらく指定のなかった出版社の久しぶりの指定です。

 それも最終巻だけという妙な指定。いったい何が、指定される要素となったのでしょうか。

(以下、別記のない限り、【】内は「自主規制団体からの聴き取り結果」より引用)

 指定該当とする意見の趣旨はストレートにセックス描写の多さと修正です。【著しく性的感情を刺激するものである】。何しろ、冒頭から30ページ連続でセックス描写。それから23ページほど物語が進み、またセックス描写が再開。パラパラめくっても、セックス描写が目に付きます。そうした描写で特に気になるのが白抜きです。【性器の修整が白抜きでされ、性器の描き方が一部卑わい感があり、成人向けとしてほしい】

 そうした濃厚な描写があるにも関わらず、指定非該当とする意見のほうが多いのです。

【よくあるパターン。白抜きで描写され、男性器の形は分かるが、形状のみで問題ないと思われる】【性描写は確かに多いが、修整に気を配ってあり、内容的にもストーリー性があって卑わい感を与えない】

 指定非該当意見では、セックスシーンも多いがストーリー性がちゃんとあることを指摘するものが多いのも特徴です。未読なので判然としないのですが、本作品は義母との恋愛物。そのクライマックスだから、セックス描写が多くなるのも仕方ないということでしょうか。

 いずれにしても、全5巻のうち最終巻だけが不健全図書指定されるという展開。書店の店頭で並べるのがめんどくさい単行本になってしまいました。一部の書店では、18禁マークなしのグレーゾーンエロマンガも18禁コーナーにまとめて陳列しています。考えてみれば、マークがあってもなくても、大方の読者の目的は「実用」なんだから、理にかなった陳列かも知れませんね。
(文=昼間 たかし http://t-hiruma.jp/

今月の自主規制団体の声
【出典】東京都青少年健全育成審議会「自主規制団体からの聴き取り結果」より
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/pdf/09_singi/665/665siryou2.pdf

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