見ないほうがよかった!? アメコミ主人公の“非番中”の迂闊な姿に目を疑う!

1510_foryour.jpg『For Your Eyes Only』

 アメコミ好きなら特に見逃せないポップアート風に描かれたヒーロー&ヒロインたちのイラストの数々。しかし良く見るとそこには“見てはいけない”ヒーローたちの日常の姿が……。

■“非番中”のヒーロー&ヒロインを描いた“リスペクト”画集

 トレンド情報サイト「Smash」などが紹介している、ポップアート風のタッチで描かれたアメコミのヒーロー&ヒロインの“非番中”のリアルな(!?)姿が話題だ。

 歯磨き中の超人ハルクや、ファイザー製薬の錠剤(バイアグラ!?)を服用するスーパーマン、洗濯したパンツを干しているワンダーウーマン、『資本論』を読んでマルクス主義思想に磨きをかけるスクルージ・マクダックなど、“見ないほうがよかった”かもしれないプライベートなワンシーンの数々に思わず目を奪われる。

 これらのブラックユーモアに富んだイラストを収めた画集が『For Your Eyes Only』だ。「秘密にしておいて」、とでも訳せばよいだろうか。イラストを手がけたフランス人アーティストのグレッグ・レオン・グイレミン氏は、アメコミの人気ヒーロー&ヒロインたちが、“出番”ではない時には何をしているのか想像をめぐらせるのが好きで、その中で様々な着想を得てこれらの“リスペクト”作品を創作したという。

 グイレミン氏が手がけたこれらのスパイスが効いたイラストを一冊にまとめるために、今年初旬にクラウドファンディング「Kickstarter」で画集出版プロジェクトとして資金を募り、見事に目標額を達成。今回こうして『For Your Eyes Only』が出版される運びとなったのだ。

 幻滅しかねない“見てはいけない”ヒーローたちの日常生活を暴いたイラスト集だが、子どもの頃に熱中した大人のファンに向けて、これらヒーロー&ヒロインへの親しみを湧かせ、より愛すべき存在に仕立て上げることがグイレミン氏の創作意図のようだ。もし歯医者の待合所などにこの本があったら、きわめて有意義に(!?)に時間を潰せそうだ。

■陰影をドットの大小や密度で表現する絵作りが特徴

 グレッグ・レオン・グイレミン氏、通名“レオン”は現在48歳。子どもの頃に抱いていた創作意欲を今もなお保ち続けるイラストレーターだ。彼は自らをアーティストとは定義しておらず、自身を「折衷主義的絵画ゲーマー(Eclectic Graphical Gamer)」と称している。

 1960年代を中心にアンディ・ウォーホルらとともにポップ・アートの代表的な画家であるロイ・リキテンスタインが好んで使っていた作画手法である、陰影をドットの大小や密度で表現する網点(Ben-Day dots)に独自に工夫を加え再びよみがえらせた絵作りが特徴だ。

 今回の『For Your Eyes Only』のほかにももちろん数々の絵画、彫刻を手がけており、これまで国際的な評価を受けたものには『Exercises of Style』や『Famous Capsules』などがあるということだ。世界各地で展示会を何度も開催しており、現在はスイス・ジュネーブで「CITE DE TEMPS」と銘打たれた展示会を行なっている(11月1日まで)。気になった方は彼のサイトを訪れてみてはいかがだろうか。
(文/仲田しんじ)

【参考】
・Smash
http://www.smash.com/take-peek-inside-secret-life-superheroes-pop-culture-icons/

・グレッグ・レオン・グイレミン氏のサイト
https://www.greg-guillemin.com/

資本論 1 (岩波文庫 白 125-1)

資本論 1 (岩波文庫 白 125-1)

スクルージ・マクダック気分。

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