『お願い! ランキング』生放送化……不況のテレビ局がハマる“低予算タイアップ番組”という麻薬

1510_onegai.jpg『お願い! ランキング』(テレビ朝日系)公式ページより。

 人気深夜番組『お願い! ランキング』(テレビ朝日系)が、先月28日から生放送となっている。これまでの放送時間を拡大して2部構成となり、1部と2部の間にはウェブの生配信も。MCには、今年度4月入社となる新人女子アナウンサー2名を起用。日替わりのゲストも招かれる。

「『お願い! ランキング』は、2009年にスタートした平日深夜に放送されている帯の情報番組です。グルメ情報やヒット商品などをランキング形式で紹介。「お願い戦士」と呼ばれるCGキャラクターが番組を進行し、声はテレビ朝日のアナウンサーを起用しています。いわば、金のかからない“低予算タイアップ番組”のハシリといえますね」(番組制作会社関係者)

 同番組からは数々の人気企画が生まれた。「美食アカデミー」は、コンビニ、ファーストフード、居酒屋チェーン、ファミリーレストランなどの商品を、グルメに通じた識者が食してランキングを付けるもので、川越シェフなどの名物キャラクターを生み出した。「ちょい足しクッキング」ではカップラーメンなどのインスタント商品に、ちょっと足しておいしい食材、調味料をランク付け。視聴者がすぐに実践できるのが魅力だ。

 さらに、テレビ朝日の他のバラエティ番組とのコラボも見られる。珍しい風景を紹介するコーナーは『ナニコレ珍百景』、飲食店の人気メニューを当てる企画は『もしものシュミレーションバラエティ お試しかっ!』とのコラボだ。

 徹底して金がかからず、タイアップによる収入も見込め、放送の時間枠も埋められ、自局のテレビ番組の宣伝もできる。テレビ局にとっていいことづくめの『お願い! ランキング』はテレビ不況の時代にあって、救世主のような番組である。しかし、タイアップが露骨すぎる印象も受ける。

「確かに、こうした番組はスポンサーの言いなりになってしまうデメリットがあります。それでも『お願い! ランキング』は創意工夫をしている方でしょう。さらに、これまでもテレビ番組制作には、CM以外の場所にもメーカーの商品宣伝を紛れ込ませる手法は存在していました。メーカーの担当者と、制作会社の人間が個人的にやり取りし、作り手が謝礼を受け取るといったことは日常的に行われていましたからね。『お願い! ランキング』の制作手法は、これまで隠されてきたテレビ界の“常識”が明るみになったようなものでしょう。いわば、開き直りの勝利です」(同)

 このお手軽さは、さながらお笑い芸人のリズムネタのようでもある。藤崎マーケットが“リズムネタは麻薬”と言っているが、テレビ局にとっては“低予算タイアップ番組”が麻薬のようなものかもしれない。一時の快楽は得られても、使いすぎれば毒となることは間違いなさそうだ。
(文=平田宏利)

『お願い! ランキング』生放送化……不況のテレビ局がハマる“低予算タイアップ番組”という麻薬のページです。おたぽるは、その他演劇の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!