「ついに9.18 ラグビーW杯開幕!」で思う、“なぜラグビーマンガにヒット作が少ないのか?”

『ゲイン』(97~98年/週刊少年サンデー)
『黄金のラフ』などで知られるなかいま強作。高校ラグビーを舞台とした物語。ギャグは変わらずおもしろく、アクションシーンも迫力あったが、長期連載はならず。

『HORIZON』(01~02年/週刊少年サンデー)
こちらは『ガンバ!Fly high』の菊田洋之の作品。やはり高校ラグビー部が舞台。自分を変えたい、という主人公が先輩にもまれながら、ラグビーに目覚めていく。

『15 明刹工業高校ラグビー部』(09、10~11年/ガンガンON LINE)
離島出身の主人公が、高校ラグビーを通じてチームメイトとの絆を築いていく。美麗なビジュアルで、ラグビーマンガには珍しく女性ファンも多い。成瀬芳貴作。

 いかがだろうか。大ヒットといえるのは、ラグビーマンガにカウントしていいのか悩んだ末に入れた『1・2の三四郎』ぐらい。キラリと光る秀作はあっても、『キャプテン翼』『スラムダンク』に匹敵するかと言われると、困ってしまう。

 なぜラグビーマンガにヒット作が少ないのか。ネット上の声を拾ってみると、「ルールがわかりづらい」「野球のような1対1の対決シーンが少ない」「1チーム15人と、プレイヤーが多い」「あまりTVでラグビーが放送されていないから」「競技人口が少ない」といったあたりが、理由として挙げられているようだ。

 だが、「バスケはヒットしない」というジンクスをものともせず、超ヒットとなった『スラムダンク』、ラグビー以上になじみが薄いと思われる、アメリカンフットボールを題材としながら異例のヒットとなった『アイシールド21』など、優れた描き手がいれば題材が何であれ、ヒットするときはヒットするという声もある。

 実際、13年から「月刊モーニングtwo」で連載開始した、雨瀬シオリの高校ラグビー部もの『ALL OUT!!』が全国高校ラグビー大会のポスターに起用されるなど、今後に期待できそうな作品も生まれてきている。

 野球の甲子園に匹敵する「花園」という聖地、熱いチームスポーツの一面など、マンガの題材としてのポテンシャルはあるはず。ドラマ『スクールウォーズ』という大ヒットの前例もあることだし、実在のラグビー日本代表はサッカー日本代表よりも期待できそう。さらにW杯の日本開催という追い風もある。熱いラグビーマンガの登場が楽しみだ。

ALL OUT!!(6) (モーニング KC)

ALL OUT!!(6) (モーニング KC)

最新第7巻は9月発売の模様

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