カープ・前田健太を真似たキャラも? 専門家が見た野球マンガ『ダイヤのA』のリアルさ

 絶大な人気を誇った野球マンガ『MAJOR』が、5年ぶりに「週刊少年サンデー」(共に小学館)で新連載されることがニュースになるなど、昨今の野球マンガ人気は高まる一方です。現在連載中のものでも『砂の栄冠』、『おおきく振りかぶって』(すべて講談社)、『MIX』(小学館)はじめ、野球を題材にした作品は多岐に渡ります。その中で、野球のリアルさを追求し、野球選手からも支持を集めているのが『ダイヤのA』(講談社)です。

 アスリートとマンガの関係を取り上げる番組『青春!アリスポ~SPORTS×MANGA~』(NHK BS1)の1月30日放送回では、『ダイヤのA』がいかに野球をリアルに描いているのか、本作のファンである広島東洋カープのエース・前田健太選手らといった有識者によって解説されました。

『ダイヤのA』は、甲子園出場を目指す強豪校・青道学園野球部を舞台に、エースを目指す1年生投手・沢村栄純の成長を描いた物語。作者・寺嶋裕二は甲子園を目指した元高校球児で、ファンにはおなじみかもしれませんが、単行本の折り返しをみると、当時のエピソードが綴られています。元高校球児だからこそ、寺嶋氏は徹底的にリアルな描写にこだわり、本作では1球ごとにピッチャーとバッター、そしてベンチの選手や監督の心理までこと細かに描いています。

 もちろん心理描写だけでなく、プレーシーンもリアルさが満点。野球指導に定評のあるタイツ先生こと自然身体構造研究所所長・吉澤雅之氏が解説するには、作中で監督が沢村に指導する、グローブを強く握り、その腕で壁を作って力をためて投げるという投法は実用できるもの。この投げ方はギリギリまでボールの出どころが見えないので、バッターはタイミングがとりづらいのだとか。これは、肩が柔らかい設定の沢村のような選手にできるフォームで、現役選手だとメジャーリーガーの和田毅選手と同じフォームだといいます。

 また、作品のファンで、今も欠かさず本作をチェックしているという前田選手が寺嶋氏に「前田健太をモデルにした選手はいつ出ますか?」と聞いたところ、寺嶋氏から「実は市大三高の天久光聖は前田選手のフォームを参考にしています」との返答が。ちなみに、前田選手はフォームだけでなく、マウンドに入る前に行なう“マエケン体操”も作中で沢村が行なっています。

 そのほかに『ダイヤのA』のリアルさを表しているのが、ユニフォームにできるしわの描写。吉澤氏曰く、寺嶋氏が描くユニフォームのしわは、身体の中で筋肉がどんな動きをしているかわかるものになっているとか。番組では、沢村のライバルである降谷暁と二刀流こと日本ハムファイターズの大谷翔平選手の投球フォームを比べ、いかに寺嶋氏がこと細かに作品を描いているか説明されました。

 また、番組中では、ソフトバンクホークスの外野手・柳田悠岐選手が作中に出てくるライバル校の選手・轟雷市の豪快なバッティングに憧れたといい、打ち方を試したこともあると語っています。選手たちが真似をしたくなってしまうほどリアルに描かれたバッティングフォームが描かれているのも本作の魅力なのかもしれません。

『ダイヤのA』は、先月1月に青道高校が春のセンバツ甲子園に出場したところで1部が終わり、今年の春から「週刊少年マガジン」にて2部がスタートする予定。新キャラクターも登場するはずなので、キャラがどの野球選手をモデルにしているのか、注目してみてはいかがでしょうか。

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