砂漠の街で偉大な教祖を目指すゲーム“預言者クエスト”が話題に!? “異文化理解ゲームアプリ”も登場

■紛争地域で生まれた“異文化理解ゲームアプリ”

 一方、こちらは実際に制作が進められているという“異文化理解ゲームアプリ”だ。

『Welcome to the West Bank(ヨルダン川西岸地区へようこそ)』と名づけられたこのゲームアプリの発案者はイスラエル育ちのデザイナー、ナビット・ケレン氏だ。

 イスラエルで過ごした幼少時代には、平和条約の締結に歓喜する大人たちと共に国歌を歌って祝ったこともあれば、恐ろしいテロの現場を目撃したこともあるというケレン氏だが、イスラエルとパレスチナの間に横たわる最も大きな障害は、人々の共感の少なさにあると考えている。もちろん、宗教の違いが最も大きな要因だが、他方の地域の暮らしぶりを想像したことがないことも大きな問題であるという。

 そこでゲームを通じて、他方の地域での生活を疑似体験することで、お互いの理解が深められると考えたのだ。具体的には、パレスチナの子どもたちの生活をゲームブック形式のストーリーで体験するゲームだ。

 パレスチナ人の少年になってプレイを始めると、まずは警察に捕まって独房に監禁されているというむごたらしい状況から物語はスタートする。少年は自分の村のほかの少年たちに火炎瓶の作り方を教えたという容疑で逮捕されたのだが、あくまでも否認するか、それとも自分に嘘をついて容疑を認めるかが問われ、その後も各チェックポイントで選択肢を選びながらストーリーが展開していく。

 このほかにも新聞記事から集めたさまざまなパレスチナ人の実話に基づくストーリーを収録しており、地図上の実際の場所や歴史的人物についての情報も盛り込まれ、まさにタイトルの通りヨルダン川西岸地区を訪れたようなバーチャル体験ができるという。確かに異文化の理解のためにはまず知ることが重要で、これはもちろん直接の当事者ではない我々のような外国人にとっても貴重な情報になり得るものだ。身近であるからこそいろんな試みができる、ゲームアプリの可能性を感じさせるトピックだ。
(文/仲田しんじ)

【参考】
・Smash
http://www.smash.com/prophetquest-video-game-egomaniacs-want-start-religion/

・Engadget
http://www.engadget.com/2015/03/14/bringing-empathy-to-the-middle-east-through-gaming/

劇画 人間革命〈17〉

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日本だと、マンガで似たようなのが…

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