姫乃たまの耳の痛い話 第26回

アルバイト先の「SMバー」にファンが……バレることへの恐怖が気づかせたアイドルという立場への執着心

――地下アイドルの“深海”で隙間産業を営む姫乃たまが、ちょっと“耳の痛〜い”業界事情をレポートします。

150509_himeno.jpgSMバーの“魅力”から抜けられなかったアイドルのお話です。

 地下アイドルになったばかりの頃、事務所が運営しているキャバクラでアルバイトをする地下アイドルの噂を、何度か耳にしました。今から5〜6年ほど前のことです。

 当時の私は水商売ができる年齢ではなかったので現実感がなく、あまり興味を持たないうちに耳にしなくなったので、噂の域を出ません。しかし、イメージの問題や、プライベートでファンと遭遇するのを避けるために、アルバイトを禁止する運営や事務所は今でもありますが、もしあの噂が本当だったとしたら……アルバイトをしている時も監視下に置いておけるのが理由だったのかもしれません。

 現在はメイド喫茶以外にも、地下アイドル活動の一環として働ける飲食店がずいぶんと増えました。一方で、同業者と働くと、職場での噂話や愚痴が、活動のほうにも蔓延してしまうなど、難しいこともあるようです。

 先日会った地下アイドルの子が、「アルバイトの時までアイドルしたくないけど、ライブより稼げない仕事はバカバカしくて働けない」と、すごく正直に話していたので、清々しくて少し笑ってしまいました。雑誌に載っている女子大生のような清楚な雰囲気とのギャップに、不意をつかれたせいもあります。

「地下アイドルも楽しいけど、やっぱり若いうちにしかできないことで稼ぎたいよね」と、彼女は言います。私と同い年の彼女は、大学を留年して今年も4年生をやることになったそうで、そうなると急に女子大生が持つブランド力に気がついたと興奮気味に話していました。若さと女であることを活用して、今のうちに稼ぎたい。しかし風俗嬢の仕事には抵抗があると、膝丈の爽やかなスカートを揺らしながら話を続けました。

 結局、彼女が選んだアルバイトは、SMバーとパンチラ喫茶でした。どちらも客との肉体的な接触はなく、「ちょっとエッチな飲み屋」というのは彼女の説明です。ライブの時はあまり露出しないけれど、ファンからのイメージを保ちたいだけで、体を見られることにはまったく抵抗がないそうです。

 彼女にとってパンチラ喫茶は「パンツを見せるだけで時給2000円もらえる」おいしい仕事であり、SMバーは客層がよく、居心地のいい職場だそうです。価値観って本当に人それぞれだと思うのですが、彼女は彼女の丁度よい場所を見つけたように思えました。

 さらに、まったく想像していなかったことに、SMバーの常連客と恋仲になったそうで、これまでの彼女のあっけらかんとした態度から、「プライベートもうまくいってよかったなあ」と思っただけだったのですが、「いろいろ心配」だと言うのです。

 私はここでようやく、なぜ彼女が急に内緒にしていたアルバイトの話を打ち明けたのかわかりました。

女流官能作家が教える 愛が深まる ライトSM

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いや、もちろん、SMしたいわけでは…

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