「深夜アニメ 闇夜の千本ノック」【2014年 夏】

ハイクオリティながら、ある意味今期の最大の問題作!?『東京ESP』【第一話レビュー】

――ジメジメ蒸し蒸し、鬱陶しい梅雨空と台風をスカッとアニメでぶっ飛ばせ! 7月より放映開始された2014夏の深夜アニメの第一話をレビューして、オススメ作品をコンセルジュする連載「深夜アニメ 闇夜の千本ノック」! ※放送日などは全国ネット及びTOKYO MXに準拠します。

【11日(金)編】

■『東京ESP
第1話「白い少女」

1408_1r_tokyoesp.jpg東京ESP公式HPより。

 KADOKAWA刊「少年エース」連載の瀬川はじめの原作マンガを、高柳滋仁監督とアニメ制作・ジーベックによりテレビアニメ化。

 冬の夜、それは突然始まった。光る魚の群れが回遊する東京で突如国会議事堂が浮上し、超能力者集団による占拠事件が発生。要人は人質となり、抵抗する者は容赦なく命を奪われる。渋谷で、新宿で、四谷で、次々と破壊活動を行う超能力者たち。特殊部隊も瞬間移動能力を持つ東美奈美の敵ではなかった。人々が伝説の英雄“白い少女”の再来を待ちこがれる中、ついに防衛省の超自然災害対策本部・特戦四課が出動するが……!?

 ある意味今期の最大の問題作。これ、『東京ESP』であって『東京ESP』ではない第1話なのです。原作の第一部終盤、議事堂占拠のシチュエーションのみ原作準拠で、ほかはオリジナル。主人公である漆葉リンカも最後の最後、ED直前になるまで登場しません。

 ではなんなのかというと……原作者・瀬川はじめ先生の、先のアニメ化作品『喰霊―零―』のスピンオフなのです! 冒頭、渋谷のモヤイ像のまえで待ち合わせる諌山黄泉と土宮神楽の2人の登場でド肝を抜かれた視聴者も多いはず。遅刻したことを詫び、神楽にチョコ菓子を勧めるなど、闇堕ち前の貴重な明るい黄泉の姿を堪能できます。

 メインスタッフも制作スタジオも違う『東京ESP』と『喰霊―零―』両作品が同一世界と設定された瞬間で、今後の展開に影響はあるのか? と期待と妄想が膨らみます。(さらに黄泉が持っているのが“ポッチー”だったら『おねがい☆ティーチャー』世界ともクロスオーバー出来たのですがねェ……)

 そして傍若無人な殺戮を繰り返す超能力者達に立ち向かうのは『喰霊―零―』1話で壊滅した特戦四課の面々。どうやら『東京ESP』は『喰霊―零―』よりも前の時代のようです。

 リアルかつ丁寧に描かれた東京の町並み、鮮血が吹き出す手加減なしのグロテスク描写、さまざまな超能力と災害エフェクトを描くCG……と、演出・作画・アクションすべてがハイクオリティなのですが、それはすべて『喰霊―零―』番外編としての面白さであるところに疑問が残ります。なので、『東京ESP』としての本評価は第二話以降までお預けという一回休み状態。本編開始後もこのハイテンションを裏切らない出来であってほしいですね。

【こんな作品のファンにもオススメ】
マジンガーZ対デビルマン』『THE UNLIMITED 兵部京介

(文/出口ナオト)

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