――ジメジメ蒸し蒸し、鬱陶しい梅雨空と台風をスカッとアニメでぶっ飛ばせ! 7月より放映開始された2014夏の深夜アニメの第一話をレビューして、オススメ作品をコンセルジュする連載「深夜アニメ 闇夜の千本ノック」! ※放送日などは全国ネット及びTOKYO MXに準拠します。
【11日(金)編】
■『黒執事 Book of Circus』
第1話「その執事、披露」
スクウェア・エニックス刊「月刊Gファタンジー」掲載の枢やなの原作マンガを、阿部記之監督と制作会社A-1 Picturesによりテレビアニメ化。
19世紀のイギリス。悪の貴族と称される名家ファントムハイヴ家当主を務める少年・シエルの側には、執務を完璧にこなす謎の執事セバスチャンが常に控えている。ある日シエルの下に女王陛下から親書が届いた。移動サーカス団が訪れた街から次々と子どもが消える事件を調査せよというのだ。さっそく二人は「ノアの方舟サーカス」へと向かうのだが……?
前作終了より4年弱の期間を経て復活した『黒執事』第3シリーズ。さすが悪魔は不死身、といったところですね。今回は原作でも人気の高いサーカス編のエピソードを映像化ということで、メインスタッフも阿部記之監督とシリーズ構成・吉野弘幸さんへと一新。シエルとセバスチャンの関係も1期・2期よりも原作寄りの設定に戻されている模様です。
さて第1話は、原作者枢やな先生自らの脚本による基本設定説明の番外編。リブート的にシエルとセバスチャン契約のシーンからスタート。執事仲間・劉の友人を装い、シエル殺害を企むブランデルがファントムハイヴ家に来訪。セバスチャンは独自の流儀をもって「おもてなし」の準備を進めるが、一方でメイリン・フィニ・バルドたち使用人のうっかり行動に振り回される様子が描かれました。
シエルの屋敷内や庭園も光に満ちていて、従来の描写よりもずいぶんと明るくなった雰囲気。しかしながら、ブランデルと手下たちに対するセバスチャンの処刑方法は残酷なブラックユーモアに満ちた手法で、本シリーズのダークな一面も忘れてはいません。
ラストCパートは、一件落着しベッドで眠りにつくシエルとセバスチャンのやりとり。
「この契約がある限り、どこまでもお供いたします。例えそれが愚かな復讐だったとしても、最後まで…」「そこにいろ。僕が眠るまで」と、女性ファン卒倒もののセリフの応酬でした! サーカス編本編は第2話以降のお楽しみという形に。
本編終了後、秋にOVA劇場上映するイベント告知のCMも入り、ファンの気分を盛り上げるだけ盛り上げた30分。全10話予定と短めのシリーズながら、夏の深夜を耽美の世界へ誘うミステリアスな傑作の予感がしました。
【こんな作品のファンにもオススメ】
『君が主で執事が俺で』『鬼灯の冷徹』
(文/出口ナオト)
女性ファン卒倒ものの耽美な世界! ミステリアスな傑作『黒執事 Book of Circus』【第一話レビュー】のページです。おたぽるは、アニメ、作品レビュー、2014年夏アニメ、黒執事 Book of Circusの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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