「深夜アニメ 闇夜の千本ノック」【2014年 夏】

タブーも厭わぬ「ノイタミナ」の特色を発揮!? 厨二魂をくすぐる『残響のテロル』【第一話レビュー】

――ジメジメ蒸し蒸し、鬱陶しい梅雨空と台風をスカッとアニメでぶっ飛ばせ! 7月より放映開始された2014夏の深夜アニメの第一話をレビューして、オススメ作品をコンセルジュする連載「深夜アニメ 闇夜の千本ノック」! ※放送日などは全国ネット及びTOKYO MXに準拠します。

【10日(木)編】

■『残響のテロル
第1話「FALLING」

1407_1r_terror.jpg残響のテロル公式HPより。

 原案・監督:渡辺信一郎、助監督:立川譲、アニメ制作・MAPPAによるポリティカルフィクションアニメ。

 青森の核燃料再処理施設が二人組テロリストに襲われ、プルトニウムが奪われる事件が発生。半年後の夏。東京の高校に九重 新と久見冬二と名乗る転校生がやって来る。彼らこそ青森の事件を起こした実行犯のナインとツエルブだった。正体を隠して都心に潜入し、連続テロを企む二人だったが、ふとした事からいじめられっ子の女生徒・三島リサと知り合う。同じ頃、スピンクス1号・2号を名乗る犯行予告動画がネットにアップされる。誰もがイタズラと捉える中、元捜査一課の刑事で現在は閑職に追いやられている柴崎は独自に調査を始めるのだが……。

 現代の東京を舞台に少年テロリストによる予告犯罪を描くという、たいへん刺激的なテーマに挑戦した本作。渡辺信一郎監督と音楽担当の菅野よう子のコンビは、「ノイタミナ」では『坂道のアポロン』以来となります。

 オリジナルストーリーの本作ですが、『太陽を盗んだ男』『愛と幻想のファシズム』『Twelve Y.O.』などテロリズムを扱った映画や小説からシチュエーションやネーミングの影響を受けているのが見て取れるあたり、渡辺監督の本気度が伺えますね。都心の大規模停電や都庁ビル爆破崩壊など、劇場用作品並みに力の入った作画の大パニックシーンは海外ドラマも顔負けのスケールで描かれ、見入ってしまいました。

 こうした作品の場合、主人公の行動の動機にどれだけ説得力を持たせて視聴者が納得・共感できるかにかかっているのですが、スピンクスの二人はなんらかの施設で特殊な訓練を受けさせられ脱走した過去を持つことが描かれており、この謎解きも今後の大きな縦糸になっていきそうな予感。

 深夜アニメの特性を活かして、タブーなモチーフを作品テーマに取り上げることの多い「ノイタミナ」枠ですが、つい先日も実際の事件の影響と思われる『PSYCHO-PASS 新編集版』の放送中止が起きたばかり。『残響のテロル』もこの先に模倣犯が出ないように「よい子のみんな、スピンクスのまねは絶対やめようね!」とテロップを出したほうが良いのでは? そんなことを思わせるほどスリリングな本作、厨二魂を持ち続けるアニメファンへオススメです!

【こんな作品のファンにもオススメ】
東のエデン』『サムライフラメンコ

(文/出口ナオト)

「C」第1巻  【初回限定生産版】

「C」第1巻 【初回限定生産版】

「ノイタミナ」の”社会派”はコアな人気感。

タブーも厭わぬ「ノイタミナ」の特色を発揮!? 厨二魂をくすぐる『残響のテロル』【第一話レビュー】のページです。おたぽるは、アニメ作品レビューの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!