音楽的『ジョジョの奇妙な冒険』考察

「ノトーリアス・B.I.G」ら音楽的視点から考察する『ジョジョの奇妙な冒険』スタンドレビュー

「サイゾーpremium」で限定掲載されている、『ジョジョの奇妙な冒険』に出てくる「スタンド」たちと、その元ネタとなっているアーティストの関係を読み解く「音楽的『ジョジョの奇妙な冒険』考察」をご紹介!

【サイゾーpremiumより】

――第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞した『ジョジョリオン』。長く愛される『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズに眠る、知られざる音楽的世界を知ればもっとジョジョが面白くなる!

1312_jojorion.jpgジョジョリオン5巻 2013年文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞!

 1987年より現在に至るまで27年間にも渡り、長期連載を続け圧倒的な人気を誇るマンガ『ジョジョの奇妙な冒険』。第一部から始まるジョースター一族とディオ・ブランド―の二世紀以上に渡る戦いを描いた冒険活劇で、現在は第8部『ジョジョリオン』が『ウルトラジャンプ』(集英社)で連載中だ。

 やはり「ジョジョ」で連想されるのは、「オラオラオラオラ」「無駄無駄無駄無駄無駄」などファンならずとも一度は目にし、耳にしたことがある独特のセリフ回しや「メメタァ」や「ズキュウウウン」に代表されるユニークな擬音語の数々とともにキメられる、いわゆる“ジョジョ立ち”と呼称されるキャラクターたちの特異なポージングだろう。これらは現在、様々なシーンで当たり前のようにパロディやネタになっているのを確認でき、本作の人気の高さと認知度を改めて知ることができる。

 またホラーやサスペンス映画さながらのストーリーテリングや演出、コマ割りなども長期連載でも人気を衰えさせるとこのなかった最大の要因だろう。そして、もっとも読者を惹きつけてやまないのは、登場する個性豊かなキャラクターたちと第三部以降に設定の軸となった「スタンド」の存在だ。そのキャラクターやスタンド名にはある一定のルールがあることも有名で(しかし、すべてに当てはまるわけではない)、音楽アーティストの名前や曲名、アルバム名が由来となっている。例えばシリーズを通しての宿敵であるディオも、ヘビメタ・バンドから拝借されているし、レッド・ホット・チリ・ペッパーやセックス・ピストルズなど挙げればキリがない。しかも、細かく見ていくと、誰もが知っている有名な名称もあれば、コアな音楽ファンでなくては知り得ないものもあり、1980~2010年代の長きに渡ってじつに確かな審美眼でセレクトされることがわかり、また作者である荒木飛呂彦が現在どんな音楽を聴いているのか……と想像することも、コアな読者の楽しみなのかもしれない。

 となると、もちろん生まれたキャラクターたち、は大なり小なりモデルとなった曲やアーティストの影響を自然と受けている。今回はその音楽と歴代シリーズに登場するスタンド――今回は広義でダンス・ミュージックを主眼とする――との関係性を掘り下げて、その背景や時代性を(空想も加え)読み取っていきたい。

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