音楽的『ジョジョの奇妙な冒険』考察

「ノトーリアス・B.I.G」ら音楽的視点から考察する『ジョジョの奇妙な冒険』スタンドレビュー

■英テクノ・ポップグループから紐解くディオとジョースターの罪と正義

1312_jojo02.jpgUltimate(Pet Shop Boys)

第三部『スターダストクルセイダース』
スタンド使い:ペット・ショップ
スタンド:ホルス神
引用:Pet Shop Boys

「それは“Sin”(罪)か否か」――ジョジョ第三部のクライマックス寸前、宿敵ディオの館の前で勃発したイギーvsペット・ショップ。イヌとハヤブサという動物同士によるバトルは、ペット・ショップの侵入者を必ず仕留める執拗なまでの凶暴性が見事に描写され、シリーズでも名勝負に数えられている。そこに音楽的奇妙な妄想を加えてみると、非常に哲学的なテーゼが付随してくる。では、バトルを振り返ってみよう。

 人語を解さないペット・ショップは「キョキョオーーン」といったおぞましい咆哮で、ディオの館に侵入するものは女子供であろうとイヌであろうと徹底的に排除する“地獄の門番”として登場。「やれやれ……犬好きの子供は見殺しには……できねーぜ!」と大見得を切り、イギーはイケ犬ぶりを発揮して、それを理由に戦いを始める。

 スタンド名であるペット・ショップは、言うまでもなくUK出身のテクノ・ポップのパイオニアであるペット・ショップ・ボーイズ(以下PSB)というのは有名なエピソードで、音楽史に燦然と輝く名曲を多く残し、未来永劫語り継がれていく偉大なアーティストだ。2012年のロンドン五輪の閉会式で代表曲「West Eng Girl」を披露した勇姿を思い出す方も多いだろう。

 PSBはそのキャッチーなメロディとは裏腹に、歌詞は知的ユーモアを交えた様々な比喩表現により、痛烈な社会風刺することで知られている。ボーカルのニール・テナント自身が同性愛者という社会的(性的)マイノリティの立場からか、弱者が救われない矛盾した社会構造に疑問を呈する楽曲も存在する(PSBはあくまでポップ・ミュージックのフォーマットに則ってメッセージを発信しているだけで、声高に思想を主張したり、活動家なわけではない。人間は自由という理念を貫いている)。

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