TVアニメ『彼女、お借りします』「我慢できなくなっちゃった……」この一言で悩殺される第4話

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TVアニメ『彼女、お借りします』公式サイトより

 麻美ちゃんの腹黒さが毎回気になってしまう。今回もいい感じに腹黒だし、主人公和也はクズだけど、周りのキャラが魅力的だ。

 小悪魔麻美ちゃんの作戦で、突然キスをされた和也。さかのぼれば初めてあったその日から、麻美ちゃんにハートを打ち抜かれ、舞い上がりひたすらに翻弄されてきた過去しか思い当たらない。「我慢できなくなっちゃった……」とどんな理由だよそれ、という理由にまたしても翻弄され、「みんなには内緒」といわれた和也は皆と合流しても頭の中は麻美ちゃんのことでいっぱいになる。一応「彼女」という存在でメンバーの中ではアウェーの存在である千鶴に気を使う余裕は0になってしまっている。もし千鶴が本当の彼女だとしたら和也に幻滅するシーンでしかない状況だ。

 さらには祖母から電話がかかってきて、来週には退院が決まったことが告げられる。いつでも千鶴に会えると喜ぶ祖母だったが、こののまま嘘をついて自分が麻美ちゃんと付き合ったとしたらどっちにしろ祖母を傷つけることになる、と考え始める。

 和也が電話をかけている間、仲間内の女子が千鶴に興味を持ち、和也が金持ちのお嬢様だと紹介したことから、旅行から帰ったらお金持ちのお嬢様の住んでいる部屋に行ってみたいと盛り上がってしまう。もちろんお嬢様なはずもないので答えに困る千鶴は和也に助けを求める。すると、かなり意外な答えが彼の口から飛び出した。

 実は千鶴とは別れ話をしている段階だから、今後の仲間内の約束に千鶴を巻き込むことは出来かねる、と宣言したのだ。別れ話ということをカミングアウトされると、皆も気を遣わずにはいられない。いっきに思い空気になり千鶴に触れるのすらアウトそうな雰囲気に。

 その空気を壊したのが、和也の幼馴染木部だ。彼は静まり返った場の空気を打ち破るかのように、突如和也に強めの一発をお見舞いする。彼は旅行の間中、彼女がいるにも関わらず麻美ちゃんの方を意識しすぎて今カノである千鶴を放置しているように見えていた和也に腹を立てており、それが今の別れる予定発言で怒りが頂点に達して彼を殴りつけたのだ。

 さらに誰もが思っていただろう、麻美の言動にも言及し窘める。だが何よりも、フラフラとした行動ばかりとり、千鶴という女がありながら麻美に未練がましい様子を見せている和也に本気で腹を立てているようだ。

 和也も事情を知らずに、自分がいかに麻美ちゃんが好きだったかを知らずに殴ってきた木部に対して瞬間的に怒りを爆発させ、二人は殴り合いの喧嘩になってしまう。せっかくの休みに、一人の男の恋愛修羅場に巻き込まれて最悪の空気になってしまい他のメンバーにとっては地獄でしかない。

 とにかく、体調を崩していた様子を見せていたこともあり、千鶴は先に帰るようにと促される。和也は礼を言うために彼女のあとを追いかけ、巻き込んだことを謝罪する。かなり恨み言を言われても仕方ないと思っていたが、千鶴の口から出たのは意外にもねぎらいの言葉。 

 彼らは事情を知らないのだから怒って当然ではあるが、千鶴は和也が麻美をまだ好きなことは知っているし、周りに自分を彼女だと思い込ませておくために嘘を重ねることには賛成できなかった。だからこそ、別れるつもりであると宣言しておくのは間違ったことではないのだ。

 二人の間でこれでよかったという確認と、それぞれの祖母が退院するということで今が潮時であるという会話がなされ、別れたが千鶴は置いてきた衣服を取りに戻る最中に木部に声をかけられ少し話をすることに。

 話というのは勿論和也の事である。 別れることになったのには理由があると思うが、できるなら、もう少しだけ和也を見捨てないでいてくれないかというお願いをするためだったのだ。和也とは幼馴染の木部。もちろん和也がクズであるという事も、ダメな男であることもちゃんと知っている。だけれども、そんな和也にもいいところがあるということを、彼の思い出を交えて語ってくれるその姿には熱い友情が感じられた。

 途中から和也もその話を聞いており、先ほど大喧嘩をやらかした後だっただけに、木部が自分のことをとても心配してくれていたことがわかり、号泣してしまう。

 和也が二人の会話を聞いていたことがバレると、木部は千鶴にクルーザーのチケットを渡す。もう決めてしまったかもしれないが、このチケットで二人きりの時間を過ごして考え直してほしいと用意してくれたらしい。どこまでもいいやつ、木部。

 あまりにも真摯な木部の行動に、さすがの千鶴もこのチケットを無駄にできないと和也と共にクルーザーにのることを許諾。本当は友達と来ていた海だったが、さすがに2時間以上和也たちといるのだから、もうどうとでもなれという状態だったようだ。
 
 クルーザーも出発し、海の上で二人きりの時間を過ごすことになったのだが、どんどん体調が悪くなっていっているように見える千鶴。立っているのすら辛そうだ。和也も具合を聞くが、一晩寝れば治るから一人にしてくれ、といわれしたがうことに。従うなよ、もっと心配しろよ、と思わないでもないけれど、それが和也クオリティ。

 そんな和也の元に、小悪魔麻美ちゃんから電話がかかってくる。和也に話したいことがあるから今すぐ会いたいというのだ。だが、今は海の上。会いに行くことはすぐにはできない。千鶴と船にいるとは言い出せないので、終わり次第向かうと約束する。「ずっと待ってるね」という何かしらのフラグにしか感じられない言葉で電話を切る麻美。千鶴と別れるかも宣言をした和也に、一体何を言おうとしているのか。

 和也が麻美ちゃんとの対面に胸の鼓動をたかめている間、体調が悪いなら休んでいればいいのになぜか千鶴はデッキにふらふらしながら現れ、そして唐突に船から落っこちてしまう。船内騒然。女の子が落ちた! と騒ぐ客たちの声から、落ちたのが千鶴だと確信した和也は、何の躊躇もなく千鶴を助けるために自らも海へダイブするのだった。

 和也は千鶴を救えるのか。そして麻美ちゃんとの待ち合わせに向かうことができるのか。麻美の思惑も気になるところだ。
(文=三澤凛)

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