『波よ聞いてくれ』はちょっと珍しいラジオが主題のアニメのようだ。
冒頭から、深夜三時に野外で実況中継を行う主人公鼓田ミナレ。山でクマにガン見されながら実況中継をしているという謎シチュエーションから物語はスタートする。
状況がよくわからないままリスナーからのメールを読み上げていく。ミナレも適当に琴欧州のブログを読んで心を落ち着けろ、とアドバイスを送る。だんだん、彼女の手元にデスクやマイクが現れ始めると、いつしか一般的なラジオスタジオに変わっていた。どうやら札幌岳でクマにガン見されながら放送中というのはこの回の設定だったようだ。
設定の中のクマが放送残り5分というところでミナレに気付き追いかけてきたことで、必死の逃走によるメール紹介。途中で転び、クマが直近に迫ったところで彼女の呼吸が変わる。
なんとクマと対峙し戦い始めるミナレ(もちろん想像上) 呼吸も上がり、体を動かすことからリアクションにも動きがつく。どれくらいのリスナーが同じ情景を想像できるかわからないが、画がないとかなり辛い音声になりそうだ。
全くメールの内容は頭に入ってこないが、戦いながらクマと戦い怪我を負いながらも奮闘。クマを締め上げ勝利を手にするミナレ。彼女が精魂尽きはてたところで番組も終了だ。外のブースではディレクターやミキサーがクマのダメージを受けた音をどうするか相談がはじまるなどカオスな状況だ。
ことの始まりはミナレが男に振られてやけ酒をしていたことだ。店で隣にすわった麻藤にその愚痴やらクダを巻いていた。40分前にしりあった赤の他人にここまで愚痴をこぼせるのはある意味すごい。
とにかく酔っぱらって恋愛における地方性のめんどくささを語りながら、気付いたら朝には自宅で眠っていたミナレ。これがいつものことというから、酔っぱらって目が覚めたら自宅で全裸というのは気を付けた方がいい。危ない。とにかく失恋のショックから飲んで、涙を流しまくって気持ちを切り替え職場であるレストランに出勤する。
いつも通りランチタイムの勤務にいそしんでいると、店で流しているFMラジオから聞き覚えのある声が……。しかも自分が昨晩酔っぱらいながら話していた話題。しゃべっているのは酔っぱらったミナレ自身の声だった。ミナレはいてもたってもいられなくなり、お店から飛び出して地方ラジオ局の場所へ向かう。
酔いながら絡んだ麻藤さんからは名刺をもらっている。彼がラジオ局勤務であることもわかっている。犯人は彼しかいないのだ。
ラジオ局に殴り込み、この放送を止めろと直談判する。しかしラジオには3秒ルールというものがあった。無音が3秒続くと放送事故。8秒続けば偉い人のクビが飛ぶ大事故になってしまう。放送めろというのなら、その間を持たせる放送をしてみろ、と麻藤は無茶なことを言ってくる。
簡単なキューやカフあげについて説明を受けて、なぜかミナレはラジオで1分話をすることになった。何もわからないながらも、酔っぱらったクダを放送されてしまったミナレはその言葉を受けて地方性について元カレの出身地福岡をディスってしまったことを謝罪・訂正を行い持論をのべ、最終的にはモトカレミツオを地の果てまで追い詰めて殺すことを宣言する。
とにかく台詞量が多く、声に動きも載せまくる大変そうな内容だがテンポもよく面白い。この殺害予告が、冒頭のクマと戦うラジオにどうつながっていくのか、さらにこのラジオを通して彼女がどのような変化を遂げていくのかが楽しみだ。
(文=三澤凛)
TVアニメ『波よ聞いてくれ』ラジオで痴態を全国放送される?第1話のページです。おたぽるは、アニメ、作品レビュー、波よ聞いてくれ、ラジオの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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