アニメ『虚構推理』琴子が作り出した第2・第3の虚構推理が真実味を帯びていく第10話

アニメ「虚構推理」より

 まだまだ続く鋼人七瀬事件。もう終わろうよ……。今回は琴子が用意した第2、第3の解決方法を繰り出していく。

 全てが虚構であり真実ではないものの、“事実”だとされている事柄は往々にしてネットの中には存在している。その文言が真実がどうかなど当事者ではない野次馬には判断のしようがない。だが、それを信じてしまった経験などは誰にもあるだろう。

 今回はこのなんとなく本当っぽいというのがポイント。野次馬たちに真実だと思わせることができたら琴子たちの勝ちなのだ。

 琴子は第2の推理で、七瀬かりん亡霊説をあえて肯定し、なぜ亡霊になったのかを考える方向に持っていった。

 琴子の恨みの根底には、父親死亡事件の容疑者と関係があったと噂されたことがある。だが、死にたいと望むほどにこの噂に疲弊していた七瀬かりんが、自殺してこれを事実かのように取られる行動に出るだろうか?

 その事実とは違う真実を七瀬かりんの亡霊は伝えようとしているのではないか、というのが琴子が提示した新しい推理だ。そして死後、父とあの世で対話して真実を知らされ、真実を世に伝えたいと霊となって現れ徘徊している、とかなりもっともらしい発言で書き込みを続ける。
 
 あの世での対話、とがかなり非現実的なテンションに陥ったように感じられた。それでも意外にもネット民たちはこの説に対して肯定的な反応を見せ始める。このようなストーリーは受けがいいようだ。

 こちらの思っていた風向きに変わってきたのを確認し、続けざまに新しい虚構をさらに投げ込んでいく。続いては、鋼人七瀬ではない赤の他人が彼女のふりをして出没し、危害を加えているという説のだ。

 死体の身元鑑定が行われ、本人という事になってはいるが、それがどこまで本当なのか疑わしいとつづり、姉が答えたインタビューを引き合いに出して信憑性を持たせていく。

 琴子の出す推理に多くの人が納得すると、九郎が鋼人七瀬を倒す未来を掴みやすくなっていく。彼女が新しい推理をぶつけていく間中鋼人七瀬と戦い殺される彼の姿がずっと描かれていたが、少しずつ彼女の力が弱まっていくのが感じられ始めた。
 
 そんなにやすやすと問題は解決しない。琴子の推理に「致命的な欠陥がある」と書き込むものが現れた。このサイトを作りあげ鋼人七瀬を狂暴化させている張本人、六花さんだ。琴子の推理に観衆が大きく動きそうになったところで横やりを入れ、また九郎が未来を掴みづらくなる状況を作り出したのだ。

 まもなく最終回を迎える。鋼人七瀬の事件に終始しているが、琴子と九郎先輩の関係進展とか六花さんとのいざこざとかは全くのノータッチなのだろうか。この推理合戦も面白いは面白いのだが、やはりいささか冗長気味なのが毎度毎度残念だ。

(文=三澤凛)

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