アニメ『映像研には手を出すな!』2作目はロボットアニメ!! だが超えるハードルは前回よりも高く…… 

TVアニメ『映像研には手を出すな!』公式サイト

 アニメは「設定が命」の浅草みどり、カリスマ読者モでアニメーター志望の水崎ツバメ、金儲けが大好きな美脚の金森さやか。『映像研には手を出すな!』の第6話が放送された。

06 前作より進歩するべし!

名プロデューサー金森氏

 毎週のオンエアが楽しみになるアニメは貴重だ。毎回のクオリティが保たれているアニメも貴重だ。現代日本のアニメ―ションは回が進むに連れて、どちらかが破綻していく傾向にある。しかし、この作品は作中の主人公たちのアニメに対する熱い想いを描いている。だからこそ、本職の人たちは手を抜くわけには行かないのは当然だ。その相互関係を想像するだけでも胸がアツクくなる。

 映像研は文化祭で上映するロボットアニメに取りかかった。前回の予算審議委員会で作ったアニメよりもいいものを作りたい、とアイデア出しが止まらない浅草氏と水森氏。効果音やBGM、さらにはボイスも付けたいなどと構想は膨らむ。

 浅草氏は天才型で作りたいもののビジョンが描ければ、仕事も早い。だがそれ以外のところでは人見知りで小心者。水崎氏は明るく元気で華やかだがこだわりが強すぎて手が止まるところが玉に瑕だ。そして、そのふたりを金森氏がコントロール。制作進行を請負い、背景を手伝ってくれる美術部と連絡を取り、さらに必要な機材や各所の根回しに奔走する。本当にいいトリオだ。

 作業の帰りにあの金森氏がラーメンをおごると言い出した。これはかなりレアな出来事。だが金森氏は仕事に見合った報酬だと明かす。こういうちゃんとした感覚をもって対応する金森氏は尊敬に値する。

 ラーメンを食べながら、現在できている部分の設定の世界がスタート。ロボットの大きさや場所、登場人物など、大まかな流れなどを話していく。しかし肝心のバトル部分が抜け落ちていた。どうやら浅草氏はバトル描写が苦手なようだ。

 そこを補うのが仲間。アクションシーンは水崎氏が進めていた。その出来を見て、ここを水崎氏に一任することに。また一歩前進だ。

音は音のプロに

 金森氏はアニメ作成において必要とな音を作れる人物を捜索し、「音響部」を発見する。生徒会から立ち退き命令が出ている音響部に生徒会の許可を取り付けて入った。

 浅草氏もつれての捜査。圧倒的な音響資料が揃っている部室は4室に及ぶ。撤去勧告が出ていても置く場所がないためにそのまま居座っているらしい。
 
 その膨大な資料は音の標本といっても過言ではないほどの貴重なもの。普通のアニメで取り上げられる環境音は数種のものしかないのに、華厳の滝だけで72通りの音を集めるほどにマニアックな音が多数存在している。

 そして映像研が現在所持している音は、草むらもコンクリートもあぜ道も、スニーカーでも長靴でもヒールでもどんなに状況が変わっても走ってる音は1種類、迫力のないロボット稼働音とかなり情けない惨状。
 
 そこでこの音響部の窮地に手を貸す代わりに、映像研が使っている場所を倉庫として貸し出すことを提案。さらには映像研の作品の音響顧問としても協力して欲しいという。部員1名、場所も圧迫、廃部目前だった音響部はこの条件をのみ、映像研と手を組むことに。

 こうして、映像研に頼もしい仲間「百目鬼」が加わることに。映像研のアニメクオリティに百目鬼のこだわりの音がついたら一体どんな迫力のものが出来上がるのか。

 しかしその完成を見るまでにはまだまだまだまだ超えなければいけない壁がある。設定の共有のために浅草氏が美術部に説明をしようとするのだが、コミュニケーションが苦手なのでうまくいかない。迷走に迷走を重ね、最終的には「ロボットアニメを作るのはやめよう」という結論に!?

 迷走してロボットアニメを辞めたいと言い出した浅草氏にも言い分はある。ロボットアニメは嘘の塊であり、それは視聴者を騙すことになる。それでも堂々と作れるほどのメンタルは持ち合わせていないと。

 だが、嘘だろうと何だろうと、浅草氏の作る世界観は面白い。そこに自信をもってドカンと作ればいい、と金森氏の熱い畳みかけるような叱咤がその弱気を許さない。

 そして色々に詰まりつつも、嘘の中でも現実に近づけるような設定を新たに生み出すことで浅草氏はロボットアニメ制作続行を決意した。

 前回よりも製作期間は長いけれども、制約も多いロボアニメ。仲間が増えていったり、その中でメインメンバーたちの成長もあったりと、王道パターンもちりばめられていて毎週神回が更新されていく。次回も楽しみだ。
(文=三澤凛)

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