『娘の友達』は「思っていたのと違う」作品 “連載中止要求”騒動を発端に「サイコホラー」作として注目を集める

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「娘の友達」第1巻(講談社)

「性的搾取を助長しているのでは」などとネットで騒がれ、ついには一部から「連載を中止しろ」なんて物騒な声も聞こえると話題の萩原あさ美のマンガ『娘の友達』(講談社)。騒動の大体の流れは、下記の記事から確認してもらいたい。

■参考記事『娘の友達』“連載中止要求”騒動に疑問 講談社には「一件も抗議は来ていません」

 本作は家庭や会社で「理想的な自分」を演じることに疲弊した中年の主人公・晃介が、娘の友達である女子高生・古都と出会い、心癒されるのと同時に「決して抱いてはいけない感情」を抱いてしまう物語。連載中のウェブコミックサイト「コミックDAYS」では、《社会の中で自己を抑圧する現代人へ贈る、“ミドルエイジ・ミーツ・ガール”ストーリー》と紹介されている。

 騒動の発端となったと言われている、モーニング公式Twitterが掲載した告知動画をはじめ、作品紹介では人生に疲れた中年男性が可愛らしい女子高生に心癒されるほのぼの&ほっこりストーリーのように見える。作中ではキスや裸での抱擁シーンもあったりして、それらを含め「性的搾取」と言いたい層もいるのかもしれないが、『娘の友達』は実際に読むと「思っていたのと違う」という感想を抱くことになる。


 本作はラブコメやロマンスなんかではない。どちらかといえば、サイコホラーのジャンルに属する作品なのだ。会社では典型的な中間管理職、家庭では妻に先立たれ、娘は不登校という環境に疲弊した晃介に急接近し、好意を向ける古都。古都は晃介が拒否してもお構いなしに近づき、心惑わすが、その行動原理は謎に包まれている。真意がわからない人間ほど恐ろしいものはない。

 Twitterでも話題になっているが、本作の副題である「L’un des grands secrets d’une femme fatale.」は翻訳すると「ファム・ファタールの大きな秘密の1つ」。ファム・ファタールは運命の女という意味と共に、男を破滅させる魔性の女という意味も持つ。晃介の未来に待つものは破滅なのだろうか……そんなことを期待させてくれる作品だ。

 今回、まさかの形で取り上げられることになった『娘の友達』だが、騒動を発端に電子書籍などで実際に読む層もみられている。この手の騒動であるあるな、 “読んでもないのに物申す”方々もぜひ一読してほしいものだ。

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