『ファイナルファンタジーXIV』がテレビシリーズに “オリジナルストーリー”と聞いて思い出す、あの映画版の悪夢

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『ファイナルファンタジーXIV』公式サイトより

 MMORPG『ファイナルファンタジーXIV』がTVシリーズ化する。

 今回はソニー・ピクチャーズ・テレビジョンが、スクウェア・エニックス、映像制作会社のHivemindと共同制作。現在公開されている情報によると、物語の舞台は『ファイナルファンタジー XIV』のエオルゼアでシドやチョコボのほか、魔法や飛行艇といったゲームでお馴染みの要素も登場するという。

 でも、気になるのは今回のストーリーが“オリジナルストーリー”ということである。『ファイナルファンタジー』の映像化といえば、思い出されるのが2001年の映画である。

 この映画は世界で始めてフル3DCGを用いた画期的な作品であった。だが、その画期的な技術を用いたにもかかわらず、内容はあまりにも悲惨だった。

 練り込まれたストーリーは難解すぎた。その上、フル3DCGも技術的にはすごかったが、実写に比べるとあまりにショボかったし、感情移入をすることもできなかった。

 結果として、制作費1億3,700万ドルをかけたにも拘わらず興行収入は世界で8513万ドル。スクウェアは会社がピンチになるほどの損害を被ったのである。スクウェア・エニックスになった今でも、この映画の話は鬼門とされるくらいに大きな傷であった。

 ストーリーがあまりにもB級すぎたために、一般ユーザーからは大不評だった、この映画。ただ、CGの技術だけは一流で、技術面では好評だったことも忘れてはならない。ただ、技術や細部にこだわりまくった映画というのは、結構な確率で失敗するもの。

 かつてマイケル・チミノが映画『天国の門』(1981)の撮影にこだわりまくり19世紀の舞台を再現するために、本物の蒸気機関車を調達したり、小道具まで当時の物品を揃えて撮影に臨んだところ、製作費4,400万ドルに対して興収は348万ドル。ユナイテッド・アーティスツは倒産に追い込まれ「災害」とまでいわれたことは映画史に記されている。

 映画『ファイナルファンタジー』も、費用がどんどん膨らんでいる中で誰かが「待った」をかければ、損害は食い止められただろう。

 今回の新たなテレビシリーズは共同制作ということで、最悪の事態は避けられそうだが、やっぱり「オリジナルストーリー」なのは怖いよ。

(文=是枝了以)

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