香川県のゲーム規制で思い出す、15年前の神奈川県発『グランド・セフト・オートIII』騒動

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 全国的な注目を集めている香川県のゲーム規制条例。努力義務とはいえ、条例で「ゲームは一日一時間」と定め、あたかもゲームが社会悪かのごとく捉えるやり方には批判が集中している。

 このゲーム規制で思い出すのが、今を去ること15年前の2005年から一年あまり続く騒動になった、神奈川県のゲーム規制である。

 この時は、コンシューマーゲーム機で発売されていた『グランド・セフト・オートIII』がやり玉にあげられ、神奈川県で有害図書指定され、それに倣う自治体が相次いだのだ。

 この頃は、ちょうど西鉄バスジャック事件などの少年犯罪が話題になってた時代。ゲームやインターネットと犯罪の因果関係が何度も取りざたされ、ゲームを遊び続けることで前頭葉に異常が生じるという「ゲーム脳」というニセ科学を信じる人も増えていた。

 これを受けて、やり玉にあがったのが暴力性が売りとされていた『グランド・セフト・オートIII』である。自由度が高く通行人を襲ってお金を集めたりもできるギャングゲームとして人気を博している本作。暴力度が高いのは確かだが、それを有害図書指定する方式はあまりにもアバウト過ぎた。

 というのも、神奈川県では職員がプレイした動画を数分間上映して有害図書に指定することを決めたのである。これには業界内からも反発が生まれた。というのも、コンシューマーゲーム機においてはコンピューターエンターテインメントレーティング機構(CERO)によるレーティングが実施されているからである。

 あまりにも適当な神奈川県の有害図書指定だったが、これに呼応していくつかの都道府県でも「うちでもゲームを有害図書指定すべき」という動きが起こった。そのまま、ゲームの規制論議は数年間続いたものの、まったく実効性のないままに次第に沈静化していった。

 今回の香川県のゲーム規制もちょっとだけやった気分で終わってしまうのではないか。そんな見方も業界内では存在する。

(文=特別取材班)

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