王者「週刊少年ジャンプ」が200万部の大台割れ! 「マガジン」「サンデー」も苦戦が続く

 一方、95年に歴代最高の発行部数653万部を記録して以来、基本的には緩やかに部数は右肩下がり。08年には約278万部にまで落ちた数字が、『トリコ』(作:島袋光年)、『バクマン。』(作:大場つぐみ、画:小畑健)、『黒子のバスケ』(藤巻忠俊)といった00年代後半に連載を開始した作品のヒットで、10年に300万部の大台に復活という粘り腰も見せたのだが、その後は再び下落傾向へ。1978年に公称発行部数200万部を突破して以来、39年ぶりの200万割れということに。

 前回16年10~12月期の200万5,833部から約9万部も部数が落ちたのは、やはり人気作の相次ぐ連載終了が響いているのだろう。16年はTVや一般紙でも話題になった超長期連載『こちら葛飾区亀有公園前派出』(作:秋本治/全200巻)をはじめ、『トリコ』(全43巻)、『BLEACH』(作:久保帯人/全74巻)、『ニセコイ』(作:古味直志/全25巻)など、いずれもTVアニメ化もされた人気・長期連載作の連載が終了している。その後、新たに連載が始まった新作たちの多くが比較的短命(いわゆる打ち切り)になってしまっており、大物たちの穴を埋めるのに苦戦している印象だ。

 ちなみに、「3大少年マンガ誌」とかつては括られたライバルたち、「週刊少年マガジン」は96万4,158部(前期16年10~12月期:98万6,017部)、大改革絶賛施行中の「週刊少年サンデー」(小学館)も31万9,667(前期16年10~12月期:32万3,250部)とそれぞれ数字を落としているので、ジャンプだけではなく少年マンガ誌全体が苦戦しているといえそう。

 とはいえ、ジャンプには単行本が1巻あたり400万部を超える絶対的エース『ONE PIECE』(作:尾田栄一郎)を筆頭に、現在放送中の新作TVアニメも『ONE PIECE』、『銀魂』(作:空知英秋)、『僕のヒーローアカデミア』(作:堀越耕平)、『BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-』(画:池本幹雄、原作・監修:岸本斉史、脚本:小太刀右京)と4本もあるなど、底力はある。今後どう数字を盛り返していくのか、それとも下落を抑えられず衰退へひた走ることになるのか、少年マンガの王者の動向に注目してみたい。

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