『エロマンガ先生』3話 『エヴァ』ミサトさんの缶ビール以来の超絶全裸隠しテクニックじゃないか！

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――HDDレコーダーのテレビ番組表に載っていた『Eマンガ先生』。いつの間にか『エロマンガ先生』と正式名称になってました。「エロ」って言葉が解禁されたのかな？　ライトノベル業界コメディ『エロマンガ先生』の全話レビュー、今週もかーずSPがお届けします。　*ここまでのレビュー

『エロマンガ先生』公式サイトより

　前回、引きこもりの和泉紗霧（いずみ さぎり／演：藤田茜）をなんとか登校させようとやってきたクラス委員長の神野めぐみ（じんの めぐみ／演：木戸衣吹）。クラスメイトを大勢連れてきて、玄関の前から

「いずみちゃ〜〜〜ん！　学校来て〜〜〜っ！　みんな待ってるよ〜〜〜っ」

　の大合唱。いやそれむしろ行きづらくなる空気作るヤツじゃないですか。もうやめてあげて！　紗霧のライフはもうゼロよっ！
　ウェーイ系リア充を出しまくっているめぐみたち。もちろん悪意があってやってるわけじゃなくて、善意だからなおのこと恐ろしい……。紗霧の登校も、ますます遠のいた感じです。

■プロの全裸隠しテクニック

　神野めぐみが気にしていた隣家の洋館。幽霊の噂が立つには十分の、おどろおどろしい雰囲気。そこからピアノの音が聞こえてきて紗霧もガクブル。兄の和泉正宗（いずみ まさむね／演：松岡禎丞）が様子を見に行ってみると……山田エルフ（やまだ えふる／演：高橋未奈美）が、全裸でピアノを弾いてました。な、何を言ってるかわかんねーと思うが（略）。

　椅子の脚、ピアノ、りんご、受話器のコード。これ全部、エルフの大事な部分を隠しているギミックなんです。全裸の後ろ姿には、りんごが手前に置かれていたり。正面から映るエルフの胸元には、手前から伸びているコードが胸を隠す。どちらも遠近法を用いた絶妙なテクニック。確かにエルフの裸は超見たい（本音）。でも、この隠し方には感心しました。

　冬アニメの『この素晴らしい世界に祝福を！2』第9話の温泉回も、同じようなことがありました。おおげさなポーズと振り付けで激しく動く裸のめぐみん。だけど、前の部分はポロリせずに見えないような動きになっていました。

　有名どころでは『新世紀エヴァンゲリオン』でもありました。お風呂のペンギンに驚いた全裸のシンジが、慌てて居間に駆け込む。ミサトの缶ビールで隠れている股間。ミサトさんは缶を一本取り上げるが、ぴったり重なっていたもう一つの缶で隠れたままっていうオモシロ演出。
　規制されることで、演出技法が磨かれる。今回の全裸エルフの隠し方にも匠の技を感じます。

■全裸教の全裸信者、吠える

　正宗に裸を見られたエルフが一番、全裸全裸言いまくってます。

「そう、全裸こそが神が人に与えたもっとも自然な衣服。全裸こそが最上なのよ！」

　だめだこいつ、なんとかしないと。エルフ、さらに暴走。

「売上とは作家の戦闘力よ！　オリコン一位の私にひれ伏しなさい！」

　累計200万部のラノベ作家が調子づく。でも原作小説だと「おまえ風にいうと、『ワン●ース』の戦闘力は現時点で300000000だぞ」って言われて沈黙するんですけどね（第1巻196ページ）。正宗はエルフの売上至上主義にカチンとして、勝負を挑みます。

「戦闘力 十分の一以下のザコ作家が、この私に挑もうっていうの？」

　どちらが面白い小説を書けるのか。勝った方は、エロマンガ先生に次回作のイラストを描いてもらう。当のエロマンガ先生＝紗霧、兄さんが幽霊屋敷から全然帰ってこないわ、隣人の美少女（エルフ）の裸を見たこともバレて、めっちゃお怒りのご様子。ゴミを見るような目つきで、パンツ丸出しのまま部屋の外に追い出されてしまいました。

「へんたい」

　バタン。再び、開かずの間は閉じられたのでした

■アンタの小説はつまらないのよ

　別の日。再び訪れた山田エルフ邸。2階から見える景色に、紗霧がお絵描きしている姿が見えます。「ふりふりパンツ♪　セクシー」って歌いながら左右に揺れたり、全身でリズムをとってノリノリ。紗霧は満面の笑みで動画配信をしています。その姿がエルフにも見つかってしまいました。

「楽しそー、絵を描くの好きなんだ。いいわねあれ、なんかわかる。」

　モノを作るって楽しい、面白い。この作品のテーマである「創作の喜び」は、ここでも描かれています。

　ところがエルフ先生、ゲームばかりでちっとも小説を書かない。本気でやってないことにキレる正宗。反撃するエルフ。

「やる気が無いのに原稿を書くな−−っ！」

　ビンタ一閃。

「そんなやり方をしているから、アンタの小説はつまらないのよ！　やる気が出ない時に書いた文章が面白いわけないでしょうが！」

「やる気ない時に面白く書いた文章より、やる気MAXファイヤーで書いた文章のほうが絶対に面白いに決まってるでしょ！」

　趣味でプロの作家をやっていると豪語するエルフ。

「もっとわかりやすくいうなら遊びね。この世の何よりエキサイティングな、人生で一番ハマったゲーム」

　仕事観の違いに絶句する正宗。ここまでは原作の1巻を、だいたい1章1話で丁寧に追っています。すると来週は1巻のラスト、エルフとの対決が決着するところまで描かれるはず。

（文／かーずSP）