続編決定！ ラストは大どんでん返しが待っていた！ 真犯人は“自分”だった!?　『CHAOS;CHILD』最終回レビュー

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　そして、自分の意識がなくなったときを再現しようとする宮代拓留。

「無謀なことに賭ける覚悟はおっけい？」
「賭け金が自分の命だって現実はおっけい？」
「馬鹿な決断に言い訳をしない意思はおっけい？」

「非実在青少年」のBGM、盛り上がるなー。敵をやっつけようとする、最終回にふさわしい、「おぉ！」となるシーンだ。ただそれだけに、ここのシーンがアニメ勢だと何をしているのか少し分かり難い気もするのが残念だ。要するに、思考誘導から脱出したという妄想を佐久間恒に見せ、勘違いした佐久間恒が新しい思考誘導をかけようと、それまでの思考誘導を解いた瞬間に、彼が背負う装置を破壊して抜け出そうという作戦。ゲームだと、きちんとテキストで説明してくれているから、分かるのだけど。アニメでもひと言あると、分かりやすかったかもしれない。

　作戦は成功し、なんとか佐久間恒を倒した宮代拓留だったが……。ここで大どんでん返し！ 死んだ振りをしていた尾上世莉架が、宮代拓留を気絶させようとディソードで襲いかかる。しかし、ディソードで宮代拓留がそれを受け止めると、尾上世莉架の思考がディソードを通して逆流してきた。そこで、有村雛絵の能力を無効化するために、佐久間恒が委員会に戻ろうと野心を抱いていること、その野心のために尾上世莉架を裏切って宮代拓留を犯人に仕立て上げようとしていること、然るべきタイミングで宮代拓留の両親を殺したことを告白するように誘導すること、の3つを思考誘導するように佐久間恒に持ちかける尾上世莉架（あれ、思考誘導されていたら、血涙を流すんじゃなかったっけ？ これって、思考誘導をかけられた瞬間だけなのか？ でも、それだと伊藤真二のときとの整合性が……）。

　さらに尾上世莉架は、宮代拓留が当事者であることにこだわり続けていると話す。そして、際限なく求め続けるとも。それは、尾上世莉架が生み出された目的が、「僕にやりたいことを与えてよ。それを叶えさせてよ」というものだったからだ！

　え!? ここでエンドロール始まり!?

「全部、茶番だったのかよ」と宮代拓留。6年前の“ニュージェネレーションの狂気”を真似るため、一度警察に捕まったあと、佐久間恒が真犯人だったという証拠が出てきて、宮代拓留が一転して英雄になる……という筋書きだったことにショックを受ける。“ニュージェネレーションの狂気の再来”は、すべて宮代拓留が解決するために仕組まれたものだったのだ。

「僕は、情弱だ。小さい頃からいつも隣にいた幼馴染のことさえ何も知らなかった」

　それまで情強を自負し、周りを情弱だと見下して来た宮代拓留だけに重みのある台詞だ。カオチャは、情強、情弱がひとつテーマになっているところだけに、アニメでももうちょっと宮代拓留が情強を自負する描写があれば、最後のこの台詞ももっと活きて来たかもしれないと思うと、残念なところもあるが。

　そして、宮代拓留が下した決断。それは、尾上世莉架を“普通の女の子”として、再構築することだった……。

　これで終わりなのか!?　TRUEルートやらないのか!?　と思えば、最後に「SILENT SKY 制作決定」の文字！！！　これは劇場版なのだろうか!?　最終回はどうなることかと思ったが、無理矢理TRUEルートまでを30分に収めて超特急にするのではなく、共通ルートで余韻を与えてくれる形でまとめてくれたのはうれしかった。

アニメ『CHAOS;CHILD』公式サイトより。

　ラストは、「SILENT SKY」のカットらしきものも見られたし。病院収容されている宮代拓留が、ほどほどに重大なネタバレしているところ、うまいカット使っているなという感じだ。
ただ、仮に劇場版まで引っ張るなら、もう少し「カオスチャイルド症候群」に触れる描写があって欲しかったかも。アニメ版は、一応きれいに伏線回収（というか、共通ルートで最大の謎だった南沢泉理の謎は回収されてしまっているのだし）終わっているので、謎を残す最終回でもよかったかな。

　ともあれ、まだまだ、動くキャラクターたちに会えることはうれしいことだ。「SILENT SKY」楽しみー！
（文・桜井飛鳥）

 
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