【アニメレビュー】シリーズ屈指のお笑い&セクシー回が期待どおりでファン歓喜! オチも最高!『鬼平』第五話「谷中・いろは茶屋」レビュー

 平蔵が酸いも甘いも噛み分けてきた憧れの男だったとしたら、うさ忠は情けなくも正直で、感情移入しやすい男。だって、偶然行った風俗に、ドハマりしてしまった童貞(あるいは中年童貞)そのものだったもの。ぜひ友人になりたい。仕事仲間にはしたくないが。

 そんなうさ忠パートと平行して、暗躍を続けていた凶悪な「墓火の秀五郎」一味。実はその首領・秀五郎は、うさ忠と同じく「いろは茶屋」の常連で、お松の馴染みの客でもあった。お松からうさ忠の話を聞いた秀五郎は、「悪いことをしながらもついいいこともするし、いいことをしならも悪いことをしてしまう」と深みある言葉とともに、若い2人のためにポンと大金をくれてやるのであった……。

 この「悪いことを~」という類のセリフは、池波小説では割と出てくる、重要なセリフ(ちなみに原作では「人間というやつ、遊びながらはたらく生きものさ。善事をおこないつつ、知らぬうちに悪事をやってのける。悪事をはたらきつつ、知らず識らず善事をたのしむ。これが人間だわさ」)。カットしたりせずにアニメでも登場して、本当にうれしかった。

 さて、その後もお松への愛欲を募らせ、暴走しながらも(まさかの「I can fly」風演出も)、土壇場で火付盗賊改方の同心としてしっかりと決断、「墓火の秀五郎」一味を追い、事件解決に導いたうさ忠。うさ忠のお笑いアクションを入れてくるなど、いつも派手で格好いい殺陣シーン最中でもこの五話では笑わせにきていた。白刃入り乱れる状況で、笑える動き・演出を入れるのは大変だったのではないだろうか。

 ラストは平蔵がまた格好いいところを見せつつ、実はうさ忠のオヤジも……という衝撃の、声出して笑えるナイスなオチで幕を閉じた第五話「谷中・いろは茶屋」。なお、次回の第六話「盗法秘伝」もコミカルなエピソードだったはずなので、期待しながら来週を待ちたい。
(文・馬場ゆうすけ)

鬼平犯科帳 64

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