主人公の山岡士郎が取り組む「究極のメニュー」と、海原雄山が創りあげる「至高のメニュー」対決は父子の深い因縁も絡んだ、『美味しんぼ』の柱ともいえる要素だ。しかしどう終わったのか、そもそも決着はついているのか、ご存知であろうか?
結論を言えば、山岡vs雄山の究極・至高対決は、第102巻で区切りがついた。完成と呼べる域に達した双方のメニューを、対決という形で読者に報告するというのが表向きの目的で、さらに山岡の妻である栗田さんは「父子の和解」を裏の目的として動いていた。こうして定められた対決テーマは、今までのように食材ごとの味比べではなく、「どれだけ対戦相手を喜ばせられるか?」という超難問。
長年にわたり互いに反目しあっていた山岡と雄山が、その相手を料理で喜ばせなければいけないことになったのだ。出されたメニュー内容や結果は伏せるが、事実上の最終決戦ということで素晴らしいエピソードに仕上がった。
究極と至高の勝負は第103巻以降も「日本全県味めぐり」の形式で続いている。ただし山岡、雄山ともにメイン担当者から補佐役へと退き、それぞれ有望な後進にメニューの発展を託すこととなった。
■「日本人も悪いんですよ」は誰のセリフか?
『美味しんぼ』が反日色の濃いマンガであるとして、「日本人も悪いんですよ」というセリフがしばしば例に挙げられる。ネットでは山岡の発言として認知されている(ご丁寧にアスキーアートまである)が、コミックを読み返した限り山岡がそれを発したシーンは確認できなかった。
代わりに見つかったのが、華僑の周大人が「しかし日本人も悪いんですよ」と話すシーン。これは「中華料理人が慢心して腕前が落ちるのは、マスコミの評判だけで行列を作る客の側にも原因がある」といったニュアンスの発言で、政治的な意図はない。
たしかに『美味しんぼ』には、日本を歴史問題などから非難する記述が少なくないが、「日本人も悪いんですよ」発言については濡れ衣の可能性が高そうだ。
完結宣言(仮)で話題の『美味しんぼ』――ネットで意外と知られていない“あんな話題”8選のページです。おたぽるは、マンガ&ラノベ、出版業界事情、美味しんぼ、雁屋哲、究極のメニューの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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