■VRゲーミングが“アナログゲーム”を復活させる
VRゲーミングが本格化する中にあって、Oculusからカードバトルゲームが発表されるというのはけっこう意外かも知れない。これまでVRゲームはFPSやアドベンチャーにこそ、真価を発揮するという理解が一般的だったと思えるからだ。しかし、今回のカードゲームばかりでなく、実はVR初のボードゲームもすでにリリースが予定されている。ドイツの定番ボードゲームをVRゲーム化した『Lost Cities VR』だ。発売が決まっているのは今のところサムスン製HMDのGear VR版のみだが、将来的にはOculus Rift版やPlaystation VR版の開発も検討されているということだ。
1999年にドイツのゲームデザイナー、 ライナー・クニツィア氏によって開発されたボードゲーム『Lost Cities』は、この時期に豊作だった新作ボードゲームの名作のひとつといわれている。遺跡探検がテーマになっている本作は2008年にビデオゲーム化(Xbox 360版)され、12年にはiOSアプリにもなり、息の長い人気を博しているゲームだ。
そして今回、同作がVRゲーム化され『Lost Cities VR』と姿を変えて再び登場することになった。2人で楽しむ対戦ゲームだが、開発を手がけたデベロッパー、The Campfire Unionは今後マルチプレイヤー機能を追加することを「Pixel Dynamo」の記事で言及している。
カードゲーム、ボードゲームという卓上型ゲームは、今後VRゲーミングのハンドトラッキング用デバイス(Oculus Touchなど)の普及で、ますます可能性を広げるものになるということだ。確かにバーチャル空間で手を使ってカードを切ったり配ったりすることや、あるいはボード上のコマを掴んで動かしたりすることができるようになればゲームの臨場感がケタ違いに増すことになるだろう。
VRゲーミングが意外にもこれらの“アナログゲーム”を復活させるものになるとは、あまり予想されていなかったことではないだろうか。バーチャルな麻雀パイを両手で扱う“VR麻雀ゲーム”などもそのうち登場してくるのかもしれない。こうして考えてみると、VRゲーミングには我々が気づいていない可能性がまだまだ秘められていそうだ。
(文/仲田しんじ)
【参考】
・Oculus Blog
https://www.oculus.com/en-us/blog/introducing-dragon-front-the-first-ccg-for-vr-coming-to-rift/
・『Lost Cities VR』公式サイト
https://www.lostcitiesvr.com/newsletter
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