予約が開始され一躍注目を集めている次世代HMDのOculus Riftと初回ラインナップのVRゲームが出揃ってきたソニーPlayStation VRの話題の影に隠れていた感のあるHTC Viveだが、ここにきて動きが見えてきているようだ。
■VR世界で“両手”を使う職業体験シミュレータ
台湾を拠点とする携帯情報端末メーカー・HTCは先月、同社の次世代HMDであるHTC Viveの予約を2月29日より開始し、4月中にも発売することをアナウンスした。価格はまだ発表されていないが、非公式には1500ドル(約17万円)程度ではないかと見込まれている。
600ドルのOculus Riftの2.5倍もの予想価格が周囲を少し驚かせているが、アメリカのゲームメーカー大手・Valveの技術供与を受けて独自に開発された空間認識機能を生かして直感的な操作を可能にする専用ワイヤレスコントローラを標準装備している。ちなみにOculus Riftの専用コントローラ「Oculus Touch」は別売で同時発売はされない。
この専用コントローラを使ったVRゲーム体験がいち早く味わえるという点で面白そうなのが、今年春にもリリースされる職業体験シミュレーションゲームの『Job Simulator』だ。
VR専用コントローラを使って左右の手を別々に動かしながら、さまざまな職業が体験できるこのユニークなVRシミュレーター『Job Simulator』を手がけるのは、米テキサス州オースチンを拠点とするデベロッパー、Owlchemy Labsだ。現在公開されているティザートレーラーではこの“シェフ編”のほかにも“コンビニ店員編”と“オフィス編”がある。
本作はOculus Rift版、PlayStation VR版、HTC Vive版と主要な3つのHMDに提供されるが、今のところ専用コントローラを使ったVRゲーム体験がいちはやくできそうなHTC Viveでのプレイが注目されているようだ。VRゲーミングでとかく話題になるのは360度全方位のグラフィックに囲まれた圧倒的な没入感だが、この『Job Simulator』はそこから一歩踏み込み、仮想世界の中で“両手”を使って活動することに焦点を当てた最初のゲームとなるのかもしれない。ともあれ本作がどんな新たなVR体験をもたらしてくれるのか興味深い。
■期間限定“VRゾンビ”アトラクションがオープン
『Job Simulator』の話題で一躍脚光を浴びることになったHTC Viveだが、先頃HTCは本製品の発売直前にロンドンで販売促進イベントを開催することを発表している。
3月19日から4月3日にわたってロンドンの西部に設けられる「Virtually Dead」と題された期間限定の会場では、HTC Viveを装着した“ゾンビ”体験が味わえるようだ。IT情報サイト「IT Pro」の記事によれば、およそ500メートルもの長さのVR空間の中で22人のアクターがゾンビに扮し1時間のホラーショーを繰り広げるという。チケットは30ユーロ(約3800円)ですでに公式サイトで予約可能だが、早くも売り切れの回が目立っているので検討している向きはお早めに。
ホラー好きにはなかなか面白そうな期間限定アトラクションだが、この“元ネタ”になっているのがゾンビを撃ちまくるVRシューティングゲーム『Arizona Sunshine』だ。現在オランダのゲームデベロッパー、Vertigo GamesとJaywalkers Interactiveによって開発の最終段階の作業が行なわれているということだ。
アリゾナ州の荒涼とした砂漠を舞台に、次々に襲来してくるゾンビを銃で撃ちまくる内容で、これもまた両手で銃を扱えることができるようだ。また“二丁拳銃”が可能だという噂も流れている。本作はHTC Viveを使ったValveの「SteamVR」システム専用のゲームソフトで、当面はOculus RiftやPlayStation VRに移植されることはないようだ。あらためてゲーマーの視点から各社のHMDを見れば、HTC Viveは実はかなりのダークホースなのかもしれない。引き続き今後の動向に注目したい。
(文/仲田しんじ)
【参考】
・『Job Simulator』公式サイト
http://jobsimulatorgame.com/
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