【今月の不健全図書レビュー】ほぼ全員が性器描写のヤバさを指摘するガチムチBL 松武『マクマクラン博士の危険なお遊戯』

――東京都をはじめ、地方自治体の「青少年・治安対策本部」では、毎月“不健全図書”を挙げ、自主規制団体らと共に審議を行っている。この審議結果は毎回公表されるものの、審査過程での自主規制団体の声が顧みられることはほぼない。エロにせよ何にせよ、どこか尖った作品を大の大人が色々な立場から評価するという、そんな貴重な意見が無視されるなんてもったいない! このコーナーでは、“不健全図書”に指定されたマンガなどを自主規制団体の声と共に紹介していきたい。つまり、クラウド・ファンディング(群衆による資金調達)ならぬ“不健全図書”クラウド・レビュー(群衆による批評)、はじまり、はじまり~!

【今月の指定図書】

 今月の「BL指定席」は、松武『マクマクラン博士の危険なお遊戯』(オークラ出版)。

「BL指定席」と書きましたが作者が自己紹介で「オタクおやじゲイ漫画描き」と書いているしpixivの作品も、その系統なのでBLじゃなくてゲイ漫画なのかも知れません。描かれるのもガチムチの筋肉男子同士のぶつかり合いのオンパレードなのです。

 表題作は、天才科学者の開発した脳内で体験したい職業を自分の理想のキャラクターを相手に練習できるというマシンを中心に描く物語。主人公の想像したのは、筋肉質イケメンの空手家。しかも、仮想世界ですから衣服なしで練習も出来ちゃうという嬉しい仕様なワケです。

 そんなご都合主義全開で描かれるガチムチ男子の交尾が指定されたポイントはなんなのでしょうか?

(以下、別記のない限り、【】内は「自主規制団体からの聴き取り結果」より引用)

 本作が指定された理由は、ほぼ一つだけ。性器の修正の甘さです。【性器の表現がリアル】【修整がされていないことから、指定やむなし】【男性器の描写がリアルで、修整がほとんど無い】と、とにかく誰もが性器に言及します。意見は指定該当13、保留3、指定非該当1の割合ですが、指定該当の意見のすべてが性器の修正を問題にしています。

 どれくらい甘いのか文章で表現するのは難しいのですが、男性向け18禁の中でも修正が甘いほうと同レベルといえるものです。体液はさほどないのですが、とにかく巨根の描写重視で描かれています。ここまで、みんなに指摘される性器。作者は、とことん男性器を描くのが好きなんだと思うんですけど、それは人にはわかってもらいにくい趣味だったのでしょう。まあ、18禁マークがあれば問題なかったんでしょうけどね。

【独特の設定と人物の描写が淡泊さを感じさせるため、卑わい感がない】という、孤高の指定非該当意見も圧倒的な男性器描写の前には、空虚です。
(文=昼間 たかし http://t-hiruma.jp/

【出典】東京都青少年健全育成審議会「自主規制団体からの聴き取り結果」より
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/pdf/09_singi/668/668siryou2.pdf

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