次世代HMD元年開幕! 予約が開始されたOculus Riftを購入するのはゲーム好きではない「別のグループ」か?

■Oculus Riftの購入層はゲームユーザーとは「別のグループ」

 VRゲーミングの先頭ランナーを自ら買って出た感のあるOculus Riftだが、ユーザーと市場の反応はどんなものになるのだろうか。もちろん新しモノ好きのコアなゲーマーやガジェットマニアには“買い”の一択しかないだろうが、マーケットを詳しく分析した場合、ことはそう単純ではないということだ。

「Games Industry」の記事などによれば、Oculus Riftは決してガジェットではなくハイスペックなPCの使用を前提とした“プラットフォーム”であるという指摘がなされている。事実、Oculus Riftの予約サイトでは、使用しているPCが推奨環境に適うものであるのかどうかをオンラインで診断するツールが盛り込まれている。誤解を怖れずにわかりやすく言えば、Oculus RiftはWindows10マシンを前提としており、まだまだ多いWindows7や8などに接続して使い続けるのはどうやら難しそうである。一説によれば、全世界で現在使われているWindowsマシンの1%程度しか、Oculus RiftによるスムースなVR体験が実現できないという。

 そこでOculusでは、動作を保証した各社のPCに今後「Oculus Ready」のお墨付きを与えて認定していくということで、Oculus Riftをゲーム機として購入しようと考えている人々の少なくない数は同時にPCの購入も検討することになりそうだ。その場合、本体とPCで1300~1600ドル(約15万円~19万円)になる。こういった実情が売り上げにどう影響するのか、フタを開けてみるまでわからない。

 Oculus VRの創設者でありOculus Riftの開発者でもあるパーマー・ラッキー氏も、もちろんこのようなマーケット上の不透明感は理解しており、同社のOculus Riftを購入する層は、PS4などでゲームを楽しんでいるユーザーとは「別のグループである」と「International Business Times」のインタビューで発言している。確かにOculus Riftのような次世代型HMDが秘めている可能性はゲームだけに限らず、デザインや設計、各種の研究への応用など様々な用途が考えられている。ラッキー氏はOculus Riftが必ずしもビデオゲーム市場をメインに投入されるわけではないことを指摘しているのだ。

 となると、ゲーマーにとってますます注目されるのがPCを使わず、PS4と連動させて楽しめるPlayStation VRの価格を含めた詳細スペックだろう。仮にPlayStation VRが600ドルだとすれば、昨年値下げされたPS4(3万4980円、税抜き)と一緒に購入したとしても11万円程度ということになるからだ。しかもすでに世界累計で3500万台を突破しているPS4であれば、HMDとハードの同時購入者はそれほど多くなさそうである。動きを見せはじめただけに現在様々な憶測を呼んでいるVRゲーム関連だが、今後いろいろなことがひとつずつ明らかになってくるだろう。引き続き最新情報に注目したい。
(文/仲田しんじ)

【参考】
・Gamesindustry
http://www.gamesindustry.biz/articles/2016-01-07-oculus-must-open-the-warchest-and-show-us-the-software

・International Business Times
http://www.ibtimes.com/oculus-vr-founder-defends-rift-price-tag-speaks-kindly-sort-about-sony-playstation-vr-2256011

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