来年のOculus Rift発売に向けて“911”の被害者を疑似体験できるVRゲーム『08:46』が登場

1511_846.jpg「Oculus」公式サイトより。

 アメリカと世界を大きく揺るがした2001年のアメリカ同時多発テロ事件――。ニューヨークのワールドトレードセンターの2棟の高層ビル“ツインタワー”に相次いでハイジャックされた旅客機が激突しその後2棟共に崩壊。この時のビルの状況が少しずつ明らかになってきている中、北タワーで勤務する会社員となってこの日の事件をバーチャルに体験するVRゲームが話題だ。

■北タワー勤務のオフィスワーカーになって当日を体験

 来年から本格化すると言われている「Oculus Rift」や「PlayStation VR」などを用いたVRゲームだが、コンテンツのほうも各方面で着々と開発が進められているようだ。そんな中、フランスの学生たちが手がけたといううVRゲームに注目が集まっている。それは“911”の被害者を疑似体験できるVRゲームであるというから驚きだ。このゲームは現在、「Oculus VR」で無償で提供されている。

 フランス国立工芸院(Cnam)に属するIT分野の専門学校「Enjmin」の学生たちが授業の課題で作り上げたVRゲームがこの『08:46』だ。タイトルの8時46分とは“911”の日にアメリカン航空11便がワールドトレードセンター(WTC)の北タワーに激突した時間である。制作チームのリーダーであるアンソニー・クラフト氏は「このゲームは犠牲になった方々への追悼として我々の世代が作った擬似体験なのです」と、「Tech Insider」の取材に応えている。

 クラフト氏を含め制作チームはすべて20代の若者であるいうから事件の時は10歳前後だったことになる。したがって制作チームは『08:46』を手がけるにあたって、まず“911”を詳しく知ることが先決であった。

 ツインタワー崩壊現場の当事者の証言をまとめた書籍『9・11生死を分けた102分 崩壊する超高層ビル内部からの驚くべき証言(原題:102 minutes)』が2005年に出版されているが、制作チームは本書をはじめ“911”に関する様々な資料やインタビューを読み込んでゲームの舞台となるフロアの状況やオフィス内部を設計し、ストーリーを組み立てたという。イントロダクションとなる動画もYouTubeにアップされており、見ればゲーム冒頭の部分と大まかなゲームシステムがわかるようになっている。

 まだ朝8時半過ぎということもあるのか、北タワーのオフィスでは女性の上司と会社員のプレイヤーの2人だけという設定で物語はスタートする。上司の求めに応じて書類のファイルを渡したりと、何の変哲もないオフィスでの勤務が繰り広げられていた中、遂に8時46分を迎え、快晴の朝日の光が差し込むオフィスに地響きのような衝撃が訪れるのだ……。

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