良好な家族関係を築くビデオゲームの意外な効能に注目が集まる

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■ビデオゲームできょうだい愛も深まる

　ビデオゲームが育む良好な人間関係の効能はもちろん親子の間だけに留まらない。青少年研究の学術誌「Journal of Adolescence」に先頃掲載された研究論文では、ゲームを一緒にプレイしている兄弟姉妹はきょうだい愛（sibling affection）が深くなるという研究結果が発表されている。

　米・ブリガムヤング大学とアリゾナ大学の合同研究チームは、アメリカ北西部に住む兄弟姉妹を持つ思春期の少年少女（平均年齢約16歳）508人に詳細なアンケート調査を行い、ビデオゲームがもたらす行動への影響を分析した。そして兄弟姉妹で日常的にビデオゲームをする行為は、深いきょうだい愛を育んでいることが明らかになったのだ。

　ゲームによって少年も少女も共にきょうだい愛が深まるのだが、少年に関しては闘争心も高まるという。また、暴力的なゲームをプレイしている男子の兄弟間では兄弟ゲンカが少なくなるという興味深い傾向も浮き彫りになり、一方で救出ゲームなどの社会的に好ましい内容のゲームは兄弟姉妹間の関係に何の影響も及ぼさないという意外な結果も明らかになった。ともあれゲームを一緒に遊んでいるきょうだいは仲が良いということになるだろう。

　また、それぞれ独立して離れて暮らすようになった兄弟姉妹は、オンラインゲームでチーム組むことで良好な関係を維持できると提案している記事もある。確かにいったん離れて暮らすようになると、特に用事がなければきょうだい間の連絡も途絶えがちになる。そこで『World of Warcraf』などのオンラインゲームで一緒にチームを組むことで、それぞれの普段の生活の中でコミュニケーションが維持できるのだ。特に電話で話すまでもない些細なことでも、ゲーム空間の中でならそれとなく伝えることができそうだ。

　家族内の良好な関係を保つ一種のコミュニケーションツールにもなるというビデオゲームの意外な効能に、今注目が集まっているようだ。
（文／仲田しんじ）

【参考】
・The Wall Street Journal
http://www.wsj.com/articles/should-parents-play-videogames-with-their-children-1441899567

・Pixelkin
http://pixelkin.org/2015/04/01/bonding-adult-siblings-video-games/

 
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