フレッシュなアイドルが演技で“魅せる”! シズ☆ゲキ『進め!春川女子高校2~ハルジョの七不思議~』を観劇

フレッシュなアイドルが演技で“魅せる”! シズ☆ゲキ『進め!春川女子高校2~ハルジョの七不思議~』を観劇『進め!春川女子高校2~ハルジョの七不思議~』のキャストたち(Bチーム)。

 7月8日~12日、池袋シアターKASSAIにて、舞台・シズ☆ゲキ『進め!春川女子高校2~ハルジョの七不思議~』が上演された。

 本作は、表題の通り今年3月上演の『進め!春川女子高校』の続編で、物語も前作で描かれた騒動の1年後という設定になっている。主演の三浦奈穂美役の栞菜、および大野喬子役の東條詩織は再度同じ役柄で出演している。また、脚本・演出も前作に引き続き、静恵一が担当。そして、新しく加わったキャストには、日テレジェニック2014の前田美里、ブラジル生まれのハーフ女優・アマンダ、有明ゆな、ミスFLASH2015の星乃まおり、ほかアイドルグループからREADY TO KISSの春川桃菜、はちきんガールズの川村あやの、Pottyaのリーダー大木梨渚など、フレッシュな顔ぶれが揃った。

 本作は一部のキャストがダブルキャストとなっており、Aチーム公演、Bチーム公演と別れている。筆者はBチームのゲネプロ、Aチームの公演を観劇した。そんな『進め!春川女子高校2~ハルジョの七不思議~』は、公演の始まり方が実にユニークだった。学級委員長・名波梢役の川村あやのが、黙々とテーブルで紙に文字を書いており、開演前の準備かと思いきや、すでに物語が始まっているといった奇抜な出だしだった。

 初舞台というキャストもいる中、台詞のつかえなど見られず、仕上がりはなかなか。とりわけ主演の栞菜は、要所要所でシリアスな顔を見せるといった難しい役どころながら、さまざまな表情を見事に表現しており、舞台経験の豊富さを見せる形となった。

主演・三浦奈穂美役の栞菜。凛とした表情が美しい。主演・三浦奈穂美役の栞菜。凛とした表情が美しい。

 中村朋恵役の前田美里は、物語のキーになる存在を見事に演じきっていた。

150713_sizugeki_6.jpg中村朋恵役の前田美里(三浦奈穂美と二人きりになる場面の演技が見物!)。

 また、冒頭で明るく能天気な笑顔を見せていた大橋喬子役の東條詩織も物語中盤から、自分の気持ちを吐き出し、悲しみを見せるなど、明暗コントラストを付けた名演技だった。

大野喬子役の東條詩織 (「ハル女」の生徒たちは、それぞれに問題を抱えている。明るく振る舞う大野も……)。大野喬子役の東條詩織 (「ハル女」の生徒たちは、それぞれに問題を抱えている。明るく振る舞う大野も……)。
ブラジルからの留学生、ヤマダ・ルイ・マルシア役のアマンダ。とにかく明るい。なんと27歳! 驚き!ブラジルからの留学生、ヤマダ・ルイ・マルシア役のアマンダ。とにかく明るい。なんと27歳! 驚き!
学級委員長・名波梢役の川村あやの(左) 最年少キャストながら好演。学級委員長・名波梢役の川村あやの(左) 最年少キャストながら好演。

 物語は、学園ホラーコメディといった内容。お笑いコンビ・サミットクラブとしても活躍する脚本・演出の静恵一氏らしい絶妙なオチが随所に散りばめられ、また夢や家族の大事さを感じさせるハートフルなストーリーに好感が持てた。また、静氏の好みなのだろうか、突如現れるプロレスネタが、客席の笑いを誘っていた。

 前述のとおり、本作は一部のキャストがダブルキャストだったが、単にキャストが違うというだけでなく、シーンによっては台詞が違っていることもあった。また、前回公演の『進め!春川女子高校』に出演した、海老原優花、華彩なな、西永彩奈、中村裕香里、安藤遥が日替わりゲストとして登場し、主演の栞菜、用務員役の静恵一らとアドリブで演技を進める。これは予想もつかない展開になるので、何度公演に足を運んでも飽きさせない構成になっていた。「学園の七不思議」の内容や、アイドルを目指す鈴木麻子の登場シーンなどにも変化が見られ、その違いを探すのも楽しみの一つになっていたのではないだろうか。
(取材・文/矢口明)

■シズ☆ゲキ『進め!春川女子高校2~ハルジョの七不思議~』公式サイト
http://www.toki-e.com/shizugeki/

【次ページにも写真あり!】

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