遠藤正明の歌声がアコースティックで聖夜に響く!「christmas acoustic night 2014 Live Tour」東京公演レポート

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遠藤正明の「christmas acoustic nightツアー」の様子。

　遠藤正明が毎年冬に行っているアコースティックライブ「christmas acoustic nightツアー」、通称CANツアー。2014年12月から2015年1月にかけて開催されたツアー「遠藤正明 christmas acoustic night 2014 Live Tour ～present of the voice～」の東京公演が、クリスマスイブである昨年12月24日（水）に第一生命ホールにて開催された。

　ツアーを控えた11月5日（水）には、これまでのCANツアーでも歌唱してきた楽曲を新たにアコースティックアレンジ＆再レコーディングしたニューアルバム『Present of the Voice』を発売。遠藤正明といえば魂を震わせる熱い曲、叫びを思い起こす人も多いだろうが、このアルバムやツアーではアコースティックだからこその素敵な歌声を聴かせてくれた。今回は、そんなツアーの模様をレポートしよう。

　定刻となりバンドメンバーとともに遠藤が登場すると、フロアからは温かい拍手が起こる。スーツ姿の遠藤は、それに応えるように一礼してステージ中央の椅子に着席。落ち着いた雰囲気の中、自身もギターを奏でながらオープニングナンバー「旅詩 ～My Sweet Home Town～」でライブの幕を開けた。力強く温かい歌声、伸びやかな高音の響きなど、抜群の歌唱力を存分に堪能できるのもアコースティックの魅力だ。

「ゆっくり楽しんでください」という遠藤の言葉通り、観客は座ったまま彼の歌声に身を預ける。そして、手拍子に乗せて「会いたくて～I miss you～」を歌い上げる。体の動きこそないものの、感情の動きや想いの込められた抑揚は素晴らしく、気持ちが全身から湧き出ているよう。

　平日にもかかわらずたくさんの方が来てくれたことに感謝を述べた遠藤は、「ぎゅうぎゅう詰めの汗臭い中で手を振り上げるライブもいいんですが、年に1回ぐらいはこういうライブも。ゆっくりたっぷりじっくり楽しんでいってください」と語った。会場である第一生命ホールは3回目となるが、オーケストラや合唱団の演奏もよく行われる場所だけに「最初は、このような会場に立っていいのかな」と思ったのだとか。

　続いては、アコースティックで歌うのは珍しいという「FINAL クロスファイト牙狼」、ジャジーにアレンジされた「魂メラめら一兆℃」を披露。前者は『CR牙狼FINAL』テーマソング、後者は『Dororonえん魔くん メ～ラめら』OPテーマであり力強さや楽しさいっぱいの原曲だが、アコースティックアレンジでスタイリッシュかつ情緒溢れる曲へと変貌していた。

『マブラヴ アンリミテッド ザ・デイアフター』主題歌「星海を往く希望の歌」ではストリングス隊も加わり、心揺さぶるバラードを響かせる。曲中に訪れる静寂も美しい。さらに、「蒼星-アオイホシ-」で一言一言を大切に紡ぐ遠藤。この楽曲は東日本大震災で感じた想いを綴ったという。

　次の曲は、遠藤の代表曲である「勇者王誕生！」のアコースティックバージョン。『勇者王ガオガイガー』OPテーマである激熱な魂の楽曲は、ピアノ1本のオシャレなナンバーへと変化。BARでグラスを片手に聴くのも心地よいアダルティな雰囲気だ。技名を叫ぶ部分はセクシーボイスでの囁きとなり、男女問わず多くのオーディエンスは、その妖しげな魅力にゾクッとさせられた。

　アルバム『Present of the Voice』にも収録されているこの曲は、当初は収録曲の候補に入っていなかったそうだ。しかし“アニソンシンガー遠藤正明”として「初めてアコースティックアルバムを出すなら、代表曲を入れないのはおかしい」とスタッフから言われ、争い事が嫌いな（本人談）遠藤は言葉通り入れることにしたという裏話もMCでは明かされた。

　ちなみに、原曲は「ガ」の数が膨大な歌詞であることでも有名。原曲で125回も登場する「ガ」は、今回のアレンジでなんと66回にまで減っているそうだ。「ガ」を数えながら聴き比べてみるのも一興ではないだろうか。

 
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