元・夢追い人が綴る“俳優奮闘雑記” 第5回

「アイドルのほうが礼儀正しいし頑張ってる!」舞台に配役されるために必要なこと

 だからといって、配役に人柄やコミュニケーション能力が重要かと言われると、それだけではない気がします。身体的特徴、つまり背が高い人や低い人、また、太っている人や丸坊主の人なんかはキャスティングされやすいというのを養成所時代に聞いた事があります。マメ山田さん(小人症)という俳優さんを最初に見た時はビックリしましたし、そういえば、大学生の頃にいた劇団で演出をやった時には完全に外見でキャスティングしたことを思い出しました。

 それからもうひとつ、最近、アイドルや声優が演劇の舞台に立つ企画が増えています。養成所時代に講師の方が「今、アイドルと一緒に舞台やってるけど、お前ら(私達研究生)と違って礼儀正しいし、何より芝居にひたむきになって頑張っている。ちょっとは見習えよ」と言われた事がありました。

 これはよく知られている事ですが、キャスティングにはやはり、芸能事務所の力や俳優の知名度も大きく左右します。舞台にせよ、映画にせよ、企画が大きくなればなるほど、興行的に失敗するわけにはいきません。必然と、回ってくる仕事の量も質も決まってきます。ただし、大きな事務所に所属しているからといって、必ずしもキャスティングに有利かといえばそうではありません。

 今、第一線で活躍されている俳優さんも常に自己研鑽の日々です。役を勝ち取るというのは絶え間ない努力の積み重ねの結果だと私は思います。あと……運かな。

●SHINOBU
1983年、兵庫県生まれ。信州大学卒。「劇団山脈」出身の元俳優。同劇団では、脚本、演出も担当した。震災をテーマにした「関西少年」が話題となり、地元のテレビや新聞に取り上げられる。出演した主な舞台に、『水の話』(演出:中嶋しゅう)『血の婚礼』(演出:門井均)「黄金の刻」(演出:なかにし礼)「アセンション・ミロク」(演出:上杉祥三)など。

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