声優誌レビュー「声優グランプリ」2014年12月号

数ある声優専門誌の中でも別格!? 20年間声優を見守り続けてきた唯一の雑誌「声優グランプリ」

――昨今の声優人気に伴い、気がつけば声優専門誌も定期・不定期を合わせて10誌以上が刊行されている。そんな“声優誌 群雄割拠”の時代にあって、各誌はどのような記事・企画をとりあげているのだろうか? 主要な声優誌を中心に、目玉記事や気になる企画などを紹介しつつ、各誌の特徴を分析していく――

数ある声優専門誌の中でも別格!?声優グランプリ2014年12月号。

■「声優グランプリ」2014年12月号
出版社…主婦の友インフォス情報社
発売日…11月10日(毎月10日発売)
価格……1296円+税
創刊……1994年

「声優グランプリ」(以下、「声グラ」)12月号は“創刊20周年&通巻200号”の記念特大号! 計246ページという通常の2倍近いボリュームで、持って読むのがツライほどの重量感だ。

 表紙は、歴代の「声グラ」の表紙をバックに、今月号に掲載されている声優陣が散りばめられ、中央に輝くのは「20th Anniversary」と書かれた金の箔押し。毎年、多くの雑誌が新年号に金の特色を用いるが(印刷代がお高くなります)、ひと足先に新年を迎えたかのようなめでたさだ。

 巻頭特集は「声グラ」誕生と同じく、1994年に声優デビューを果たした神谷浩史。自身の20年を振り返る超ロングインタビューとなっている。ほかにも、今月号は連載ページも拡大版になっているものが多く、随所に声優たちからの20周年のお祝いコメントが寄せられている。

 そしてなんと言っても、今回の見どころは「声グラ」20年を振り返る諸々の企画だ。モノクロページの「声優グランプリデータベース」では、創刊号から先月号までのすべての表紙に登場した声優リストや連載&コラムのリストが掲載されている。

 また「数字で見る声優グランプリ」では、「声グラ」にまつわるさまざまな数字を紹介。「『184人』…創刊号から今月号まで表紙に登場した声優の人数(通算では439人)」や「『13年』…男性声優が初めてソロで表紙を飾るまでにかかった年数」など、解説文を含めて興味深いデータが並ぶ。

 そんな中、個人的に一番面白かったのは220ページの「声優グランプリ20年の軌跡」だ。ここでは歴代の全表紙が年別にカラーで紹介されているほか、その号で起きたおもな出来事、当時放送していたおもなアニメなどが併記されている。

 記念すべき創刊号は1994年11月に発売され、表紙は井上喜久子國府田マリ子のふたり。ちなみにこの年に名作ゲーム『ときめきメモリアル』が発売され、アニメは『魔法騎士レイアース』『マクロス7』などが放送されていたのだとか……う~ん、読めば読むほど面白い! ほかにも林原めぐみ三石琴乃横山智佐丹下桜……などなど、そうそうたる顔ぶれが90年代の表紙を飾っている。また、誌名ロゴや見出しの変遷も興味深く、使用されるフォントにも時代を感じる。

 1990年代中頃は、いわゆる「第3次声優ブーム」が起こった時期で、1994年に初めて声優専門誌を発売したのが「声グラ」と「ボイスアニメージュ」(徳間書店)だった。「ボイスアニメージュ」は02年に休刊して09年に復刊しているので、この20年間、毎年声優を見守り続けてきた雑誌は「声グラ」ただ1誌なのだ。

 しかも今月の特大号、発売からわずか1週間で各書店から消え去り、完売濃厚とのこと。やっぱり数ある声優専門誌の中でも「声グラ」の存在感は別格なのかもしれない。

 声優情報を得るのもひと苦労のネット普及前から現在に至るまで、一貫して声優のさまざまな側面を届けてきた「声グラ」に心から感謝するとともに、これからも“元祖声優誌”としての豊富な誌面に期待したい。

 ともあれ「声グラ」20周年、本当におめでとうございました!
(文/神楽坂隆)

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