声優誌レビュー「声優アニメディア」2014年12月号

「声グラ」特大号の余波も…? 編集部と読者のやりとりが微笑ましい「声優アニメディア」

――昨今の声優人気に伴い、気がつけば声優専門誌も定期・不定期を合わせて10誌以上が刊行されている。そんな“声優誌 群雄割拠”の時代にあって、各誌はどのような記事・企画をとりあげているのだろうか? 主要な声優誌を中心に、目玉記事や気になる企画などを紹介しつつ、各誌の特徴を分析していく――

■「声優アニメディア」2014年12月号
出版社…学研パブリッシング
発売日…11月10日(毎月10日発売)

 11月10日、「声優アニメディア」(以下、声アニ)と「声優グランプリ」(以下、声グラ/主婦の友インフォス情報社)の最新号を購入するため、馴染みの本屋へ向かった。先月号の予告通り「声グラ」は20周年記念の特大号。「こりゃ、めでたい」と手に取り、続いて「声アニ」を探すも……ない! アレ、もしかして売り切れ!? いやいや、さすがに発売日当日に売り切れは考えにくい。しかし、何かスゴイ特集があれば……たとえばホラ、チアキんぐがグラビアで脱いじゃったとかさぁ……などと、瞬間的にさまざまな可能性やたかはし智秋の裸体が脳裏を駆け巡ったが、ほどなくして「声アニ」は見つかった。なんてことはない、いつもの「面陳列」ではなく「棚差し」だったため、見つけにくいだけだったのだ。

 書店の陳列パターンは主に3種類。棚下段のスペースに表紙を上にして重ねる「平積み」、棚中段のラックに表紙を前にして飾る「面陳列」、そして一般家庭の本棚でもお馴染みの背表紙を見せて陳列する「棚差し(背差し)」である。

 雑誌などの定期刊行物は、発売直後は「平積み」か「面陳列」が一般的だ。雑誌コーナーの棚差しスペースは棚上段に設置されることが多く、ここには発売から日数が経った雑誌やバックナンバー、マイナー誌が置かれやすい。つまり、雑誌コーナーの棚差しは「その書店では“推しが弱い”」と考えて良い。

 馴染みの本屋は決して狭くない。そのため、アニメ誌・声優誌のスペースも充分に確保されており、毎月「声グラ」と「声アニ」は面陳列だった。ところが、今月は「声グラ」のみが面陳列で「声アニ」は棚差しである。冒頭でも触れたが、今月の「声グラ」は20周年記念の特大号だ。面陳列スペースの大半が「声グラ」で埋められた結果、「声アニ」は棚差しに追いやられてしまったワケだ。これが大増量ページの特大号と通常号の扱いの差か。当然と言えば当然ですが、書店様もいろいろと考えて陳列してるんですね。

 さて、そんなわけで今月は陳列で大きなビハインドを背負うこととなった「声優アニメディア」12月号。表紙&巻頭特集に宮野真守、裏表紙&巻末特集に南條愛乃を起用した両面表紙仕様だ。

 今月号で気になったのはStylipSの記事。StylipSはスタイルキューブ所属の声優ユニットで、2011年に石原夏織小倉唯能登有沙松永真穂の4人で結成された(現在、石原と小倉は移籍し、シグマ・セブンeに所属)。2013年4月、石原と小倉が卒業し、代わりに豊田萌絵伊藤美来が加入して現在に至る。

 今回の記事は、11月26日に発売した2ndアルバム『THE SUPERNOVA STRIKES』についてで、現メンバーとしては初のアルバム。また、来年3月からは初のライブツアーが開催されることも発表された。

「StylipSのライブ」と聞いて、ふと思い出したのが今年6月15日に開催された『Brand-new Style volume six』だ。同ライブは5thシングルか6thシングルを対象店舗で購入すると、ライブ参加応募用紙が配付される形式で、仕事仲間のA氏がこの抽選に受かったのだ。

 このときA氏は「石原と小倉が残っていたら、抽選に通らなかったかもなぁ」と話していたのが記憶に残っている。ライブ会場は原宿アストロホールで、キャパはスタンディング300~400人程度。「StylipSって、もっと大きな会場でやっていると思ってたから驚いた」とのことで、その一方で「最後列だったけど、すごくステージが近くて楽しかった」とも。

 現在、石原と小倉のユニット「ゆいかおり」の単独ライブは、約5000人収容のパシフィコ横浜で2公演を行うレベルに達している。たしかに、ふたりの脱退は大きいかもしれない。WikipediaのStylipSのページを見ると、ライブ・イベントの項目が2013年8月を最後に更新されていない【注:14年11月末時点】のも、なんとも言えない気分になる(活動はしてるのに……)。

 しかし、そんなStylipSが、来年のライブツアーでは約3000人収容のTOKYO DOME CITY HALLを始め、大きなハコにチャレンジするとのこと。なんだか実に応援したくなるじゃないですか。声優としての実績も決して多くはない現メンバーだが、ライブツアーの成功をお祈りしております。

 そのほかで面白かったのは、読者ページの「声アニチャンネル」。常連投稿者が「受験に専念するので、一旦投稿はお休みします」という投稿が掲載されていた。「こんな報告いるか?」と思う反面、声アニチャンネル側はご丁寧に掲載した上で受験合格を願うコメントを掲載。思った以上に密なコミュニケーションが繰り広げられており、ただ掲載するだけではない“読者と編集部のキャッチボール”に感心したのです。
(文/神楽坂隆)

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