「第15回広島国際アニメーションフェスティバル」【Part7】

キリンの高飛び込みに、日本題材作品も!! 第15回広島国際アニメーションフェスティバル・受賞作品をピックアップ!

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 また優秀賞(6作品)を受賞した中から、フランスのニコラ・ドゥヴォーさんによる『5メートル80』を紹介する。こちらはキリンたちが高飛び込みを披露するという明快かつシュールな作品だ。

■『5 meters 80』
http://vimeo.com/76684408

1409_hiroanim_5m80.jpg5 meters 80/Nicolas Deveaux

 本作は昨年SIGGRAPH Asia 2013で最優秀賞を受賞しているように、CG作品である。SIGGRAPH Asiaは本家SIGGRAPHのアジア版で、来年は神戸での開催が決定している(SIGGRAPHはCGの祭典として知られている。例えば現在Photoshopなどに搭載されている写真に写っているものを消す機能は、当時SIGGRAPHで発表があったものを開発元のアドビが採用した)。

■『Rainy Days』
https://www.nfb.ca/film/rainy_days/

1409_hiroanim_rainy.jpgRainy Days/Vladimir Leschiov

 今回コンペティションには日本から1作品もノミネートされなかったが、その一方で日本を題材とした作品もあった。最後にラトビアのヴラディーミル・レシチョフさんによる『レイニー・デイズ』を紹介する。今回は惜しくも受賞には至らなかったレシチョフさんは、第12回(2008年)に『ロスト・イン・スノー』で優秀賞、第13回(10年)に『翼とオール』で国際審査員特別賞と、同映画祭とは縁が深い。

 レシチョフさんは各ノミネート作家の記者会見にて、過去の来日から「日本の文化というか、国に魅了された。それらから得たものを取り上げていきたい」と、今作で日本の老人を主人公に選んだ理由を挙げた。「歴史的な事実と自分の体験をクロスさせている」そうだが、「(長崎ではなく)小倉が原爆を落とされる対象となっていたのを知った」ことも参考にするなど、制作にあたって色々と下調べを行っていたという。また、彩色には紅茶を使ったという話も披露。これには緑茶だと値段が高いため、ディスカウントショップで見つけた紅茶で代用したことを明かした。緑茶で彩色を試そうとしたところにも、日本への愛が感じられるのではないだろうか。

『5メートル80』もネットで全編が公開されている。『レイニー・デイズ』は予告編のみだが、そこからでも題材が日本であることはわかるだろう。

 広島国際アニメーションフェスティバルのコンペティションは、長編以外を対象としている。次回第16回(16年)には、果たしてどんな作品がノミネートされることになるのか、そして受賞する作品は何か。これからも国内外の映画祭をチェックしながら、2年後を予想してみるのもいいかもしれない。
(取材・文/真狩祐志)

■広島国際アニメーションフェスティバル
http://hiroanim.org/

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