ようやく各所間が連携? 「聖地化プロジェクト会議」の発足で人気再燃に期待の埼玉県

1407_saitama.jpg「SKIPシティ」サイト内のアニメど埼玉ページより。

 7月9日よりアニメ『ヤマノススメ』第2期の放送が始まった。『ヤマノススメ』は、その名の通り登山を題材とした作品で、埼玉県でも山岳部に位置する飯能市を舞台としている。「セカンドシーズン」の制作発表も、第1期のBlu-ray発売イベント「登頂記念パーティ! 飯能市市民会館ってどこ!?」として、同県飯能市内で行われた。第1期は1話5分のショートアニメだったが、第2期のセカンドシーズンでは1話15分と尺が伸びたのも特徴となっている。

 また、同県川口市では7月19日から27日までSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2014が開催される。こちらでは初めてコンペティションにアニメーション部門が設けられた。これまでアニメーションについては短編部門で審査していたところ、独立することになったものである。この国際Dシネマ映画祭の会場となっているSKIPシティには映像ミュージアムもあり、03年の開設時からアニメに関するイベントなども行われてきた(開設の際には、02年にヒットした『ほしのこえ』を受けて、当時県内在住だった新海誠監督もインキュベート施設への入居を打診されていた)。

 これまで埼玉県は所沢市の『となりのトトロ』や春日部市の『クレヨンしんちゃん』が圧倒的な存在感を示していたが、07年の『らき☆すた』(久喜市)の登場を契機として、アニメの県として飛躍を遂げることになったのは言うまでもない。それ以降の県に縁のある作品としては、『バクマン。』(越谷市)、『みつどもえ』(上尾市)、『ソードアート・オンライン』(川越市)などが制作されてきた。

 一方、行政の取り組みとして、08年に埼玉県はSKIPシティのサイト内に「アニメど埼玉」というページを立ち上げている。しかし、そのことはあまり知られていないようだ。このページは、さいたま市にスタジオを置く亜細亜堂出身の望月智充さんのインタビューもあるが、どちらかというとホッチカズヒロさんなど県内在住の個人クリエイターを対象としているので、『らき☆すた』のヒットといった恩恵とは直接関係がないこともあるだろう(なおホッチカズヒロさんは、BUMP OF CHICKENの「魔法の料理~君から君へ~」など、みんなのうたの映像などを制作してきた傍らで、アニメでは『イヴの時間』『ブラック★ロックシューター』『進撃の巨人』『ノーゲーム・ノーライフ』の制作に参加している)。

 それ以降、行政の動きはパッとしない感じがしていたが、今年4月に「埼玉県アニメの聖地化プロジェクト会議」が発足したことで改めて注目を集めた。これは県内の自治体・商工団体・観光事業者などが連携し、新たな観光等振興策のアイデアを出し合って実現していくための会議である。大宮ソニックシティで昨年初開催したアニ玉祭での「アニメ・マンガの聖地サミット in 埼玉」を契機に、ようやく本腰が入ってきたようである。これまで各作品ごとに各所の動向がバラけていたのも、風通しがよくなりそうで期待が高まる。

 なお国際Dシネマ映画祭2014では、秩父市を舞台としてヒットした『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の上映もある。このほか所沢市では7月26日から9月28日まで、所沢航空発祥記念館にて「アニメフェスタ in 所沢 2014」も開催される。改めて街中から郊外まで存分に楽しめる県であることが見えてくるだけに、資産を活かしてほしいものだ。
(文/真狩祐志)

■『ヤマノススメ』
http://www.yamanosusume.com/
■SKIPシティ
http://www.skipcity.jp/
■アニメフェスタ in 所沢 2014
http://tam-web.jsf.or.jp/anifes/

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